あなたはどんな方法で老後資金を準備していますか?

最近では公的年金だけでは老後資金が2000万円不足することが話題になり、「2000万円なんて貯めるのは無理」と金融庁が非難されていました。

今回改めて

老後資金をどうやって準備したらいいんだろう?

と不安になった人も多いでしょう。

当ブログでは米国株式投資で老後資金を貯めるのが良いという立場をとっていますが、「不動産投資で年金対策をする」のはどうでしょうか?

アパート買って家賃収入を得られることができれば、十分な年金対策になりそうな気がします。

でも、私は家賃収入で年金対策をするのはリスクが高すぎると考えていますので、私がそう考える理由を説明します。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:老後資金不足が心配になり、不動産投資による家賃収入を得ようと検討中の人
    • 得られること:株式・リート投資家からみると、家賃収入に頼るのはリスクが高すぎることがわかります。

需要が増えず競争が激化する現物不動産に素人が投資するのはリスキーである

日本は自由経済ですので、不動産の価値は基本的には需要と供給で決まります。

不動産の理論価値自体は賃料収入から計算できるかもしれませんが、実際に値段がつくためには需要と供給が合致する必要がありますよね。

高度経済成長期のように住宅の絶対数が不足しているが人口が増加している中では、需要が供給を上回るのですから不動産価格は上がります。

逆に、リーマンショックのときのように住宅を購入したい人がいなくなる場合は、需要が減るため不動産価格は上がります。

中長期的に見ると、不動産への需要はその不動産があるエリアが魅力的で人が集まるか人が増えるかに依ります

日本は「人口減少」社会ですので、全体的に見ると人口の観点では不動産への需要は減ると考えたほうがいいです。

局所的には東京の超都心のように需要が落ちない場所もあるでしょうが、日本全体としてみれば不動産を使う人が減るわけですから不動産への需要は減る可能性が高いと思いますよ。

ただ、この状況でも、レオパレス、大東建託などのように土地を持っている地主に対してアパート建築を積極的に営業している会社は多いですし、日本政府も政策的に新築着工件数をコントロールしていないので、不動産の供給は増えます。

これ以外にも「年金不足」「老後破産」を煽って不動産投資を営業している会社も多いので、今後共不動産の供給が大きく減ることは考えにくいです。

この結果として、日本では不動産への需要が増えない中で供給は増え、テナントを巡る競争は激しくなるばかりです。

専門的な知識と経験を持っているセミプロの不動産投資家だったらこの競争を勝ち抜けるかもしれませんが、果たしてあなたや私のような素人が競争を勝ち抜けるでしょうか?

私には大きな疑問です。

不動産を持っていたとしてテナントがいなければ賃料収入は入ってこないのですから、この激しいテナント奪い合い競争の中で素人が不動産に投資するのは危険だと感じます。

不動産投資ではリスクの分散が難しいので危険である

投資ではリスクの分散が重要

卵と一つの籠に盛るな」という投資の格言をご存知でしょうか。

卵を一つの籠に盛っておくと何かの拍子に一気に全部割れてしまうので分けて保管するべきということですが、投資にも全く同じことが言えます。

過去振り返ると、かつて東日本大震災の前、東京電力は非常に安定して高配当な株でした。

いきなり地震により福島原発事故が発生し、東京電力の経営が大ダメージを受けて配当停止になるとは誰も予想していませんでした。

当時東京電力の株価は信じられない大暴落をし、東京電力株で年金対策をしていた多くの投資家が致命的なダメージを受けました

東京電力は福島原発事故から9年経った2020年の今でも配当を再開していません。

一つの株、一つの不動産、一つの債券に集中的に投資していた場合、それがうまくいっていればいいですが突発的な事故が発生しあなたが投資している株、不動産、債券が事故になった場合、あなたの年金対策は一瞬で崩壊します。

東京電力株の例を見ても、将来に何が起こるかなんて誰にも完璧に予測することができないことは明らかです

株の暴落や配当停止が発生したとしても年金生活になったら復活するための十分な収入を稼げないのですから、あらゆる事故や災害の可能性を考えに考え抜いた上で年金対策の投資をすべきです。

不動産に投資すると資産の殆どが不動産になる

もし不動産に投資するとなると、数千万円のお金が必要です。

何億円も持っている人ならいいのですが、これから年金対策をしようと思っている人で何億円も持っている人はいないでしょう。

このため、通常の人は不動産に投資してしまうと資産の大半が不動産という状態になります

資産の殆どを特定の現物不動産で持つのは、まさに卵を一つの籠に盛る状態です。

考えて見ましょう。

  • 投資している不動産が地震で大ダメージを食らったらしたらどうしますか?
  • 投資している不動産の隣に暴力団事務所ができてテナントが出ていったらどうしますか?
  • 投資している不動産に施工不良が発生したらどうしますか?
  • 投資している不動産の隣に、あなたの不動産より新しいグレードの高い不動産ができてあなたの不動産より安い賃料でテナントを募集し始めたらどうしますか?

損失を保険でカバーできるものもあるでしょうが、現物不動産に投資していると様々な危険があります。

そして、危険の大部分はあなたがコントロール出来ないところで起こるので、どうしようもない状況に陥るかもしれません。

投資先を現物不動産ではなくリートで複数の銘柄に分散投資していれば、持っているリートが保有している一つの不動産で何かあったとしてもあなたの資産には影響しませんが、現物不動産持っている場合あなたにダメージが直撃しますよね。

現物不動産投資ではリスクを分散させることが難しいので危険です。

現物不動産は簡単に現金化できないので危険

株式やリートのように証券取引所に上場している投資商品は、自分で取引相手を探す必要はありません。

証券会社を通じて取引所に売り注文を出せば、取引所の機能で売買を自動的に仲介してくれます。

多くの場合すぐに売り注文を出せばすぐに売れますよね。

不動産の場合は取引所はありませんので、自分で仲介業者を使って買ってくれる人を探さないといけません。

取引相手を探すのに非常に時間もお金もかかりますし、もしかしたらあなたの不動産を買ってくれる人が一人もいないかもしれません。

不動産で年金対策をしようとしてアパートに投資した後に施設に入るため等何らかの事情で現金が必要になった時、あなたは保有不動産を売るに売れない状況になるかもしれません。

自分の資産を売りたいときに売れないのはとても危険です

年を取れば取るほど予想外の事態が発生しやすいので、どんな状況にも対応できるように「いつでも資産を現金化できる」ようにしておくことは老後資産運用の鉄則です。

まとめ

不動産投資で年金対策をするのはリスクが高すぎる理由を紹介しました。

素人投資家にとって不動産投資がリスクが高すぎると考える理由は、

  • 需要が減る中で競争が激しすぎて、素人ではテナント獲得競争を勝ち抜けない
  • 一つの現物不動産に集中的に投資した場合、地震などでダメージを受けたときに致命傷になる
  • 現物不動産を売るのに時間とお金がかかる上売れる保証はないので、現金にするのが難しい場合がある

このような大きなリスクを抱えて年金対策をする必要はもうありません。

Jリートに投資すれば良いのですから。

Jリートであれば、

  • テナント募集は専門知識、経験、ネットワークを持ったリートの運用会社が勝手にやってくれる。
  • 一つのリートで多くの不動産を持っているので、自動的に分散投資になる。
  • リートは上場商品なので、いつでも取引所で現金化が可能。

と現物不動産にあったリスクを全て解消できます。

何億円も持っていないあなたや私のような一般人は、「現物不動産で年金対策をする」のではなく、「Jリートに分散投資して年金対策をする」ほうが安全でおすすめですよ。

Jリートについては以下の記事を参考にしてください。