つみたてNISAでバランス型ファンドに投資するのはどう思いますか?

2019年には「老後資金が2,000万円不足する」という話が話題になり、将来に向けて投資を始めてみようかと思っている人は多いと思います。

実際にネット証券のつみたてNISA口座開設数は激増したようです。

つみたてNISAの口座を開設した後に悩むのは、

一体何に投資したら良いのか?

ですよね。

銀行や証券会社によっては株式・債券・不動産にバランスよく資産を分散投資するバランス型ファンドをおすすめしているところもあり、バランス型ファンドってどうなるのか気になるところです。

でも、私はバランス型ファンドはつみたてNISAの投資には向かないと考ええています。

今回は何故私がつみたてNISAでの投資でバランス型ファンドをおすすめしないのかを説明します。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:これからつみたてNISAを始めるつもりだが、投資信託の銘柄選択でインデックスファンドかバランス型ファンドか迷っている投資家
    • 得られること:つみたてNISAにバランス型ファンドがおすすめでない理由が分かります。

バランス型ファンドは投資家に人気

バランス型ファンドは投資家に人気です。

主要ネット証券の投資信託販売ランキングをみると以下のようなバランスファンドが販売金額上位10銘柄の中に入ってきます。

SBI証券

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • 野村-野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型

楽天証券

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

マネックス証券

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

ネット証券で取引をしている投資家層はそれなりの金融リテラシーを持っていますが、どのネット証券でも三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は売れていますね。

通常バランス型ファンドは運用コストが高いのが問題ですが、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の場合信託報酬が年0.154%と他の超低コストのインデックスファンドと同等レベルで低いのが人気の理由でしょう。

さすがにどのネット証券でもバランス型ファンドはつみたてNISA販売金額のNo.1ではないですが、人気があるのは事実です。

バランス型ファンドの問題点は中長期的なリターンで米国株式ファンドに負ける確率が高いこと

投資家に人気のバランスファンドですが、つみたてNISAで中長期の積立投資するには向かないと思っています。

今回はネット証券の投資家に人気の三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と私が推しておりかつ楽天証券のNISA積立ランキングトップの楽天・全米株式インデックス・ファンドを比較しながら、バランス型ファンドの問題点を紹介します。

バランス型ファンドは中長期的に株式100%のファンドに運用パフォーマンスに負ける確率が高い

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は以下の資産に均等に分散投資するバランス型ファンドです。

  • 国内株式 12.5%
  • 先進国株式 12.5%
  • 新興国株式 12.5%
  • 国内債券 12.5%
  • 先進国債券 12.5%
  • 新興国債券 12.5%
  • 国内リート 12.5%
  • 先進国リート 12.5%

つまり、株式以外に62.5%、株式に37.5%投資するバランス型ファンドです。

米国市場の例で考える場合、歴史的に見ると過去の運用パフォーマンスは株式>債券です。

これにより100%株式のファンドは、株式の割合が100以下のファンドよりも中長期的には運用パフォーマンスが高くなるはずです。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の場合株式の割合が37.5%しかないのですから、中長期の投資では楽天・全米株式インデックス・ファンドのような株式100%のファンドよりも運用パフォーマンスが劣る可能性が非常に高いです

バランス型ファンドは資産比率が固定で変更できないため誰のリスク許容度にも合わない

次の問題点はバランス型ファンドは資産比率が固定的だということです。

効率的なポートフォリオをつくためには株式と債券の割合を自分のリスク許容度に応じて設定する必要があります。

一般的にはリスクが取れる投資家は株式100%:債券0%、ミドルリスクの投資家は株式と債券を半々、そしてリスクが取れない投資家は債券の割合を多くして自分にとっての効率的なポートフォリオを作ります。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)のように異なる資産にバランス型ファンドは、一見バランスがよく安全性が高いように見えるのですが、実はあなたのリスク許容度にあっていない可能性が高いです。

もっとリスクを取れる人にとっては株式の割合が低すぎたり、リスクが取れない人にとっては株式の割合が高すぎたりします。

バランス型ファンドは資産の配分比率が固定なために、万人にとってバランスが良いようで実は誰のリスク許容度にも合わないのです

それよりは、自分で

  • 米国株式インデックスファンド
  • 債券インデックスファンド

を柔軟に組み合わせてポートフォリオを作ったほうが、あなたにとってよりふさわしい投資ができると思います。

もっとも中長期で考えれば株式は債券のパフォーマンスを上回るので、中長期に投資する投資家には当ブログでは超低コストの米国株式インデックスファンドをおすすめします。

なお、つみたてNISAでのおすすめ米国株式インデックスファンドについては以下の記事を参照ください。

まとめ

つみたてNISAにバランス型ファンドをおすすめしない理由について紹介しました。

安定を求める投資家にバランス型ファンドが人気ですが、私はつみたてNISAのような中長期の投資にはバランス型ファンドは向かないと思います。

その理由をまとめると以下です。

  • 投資期間が中長期に渡る場合バランス型ファンドのパフォーマンスは米国株式インデックスファンドよりも劣る可能性が高い、わざわざ運用パフォーマンスが劣る商品に投資することは合理的ではない。
  • バランス型ファンドでは株式、債券といった資産への配分比率が固定で決まっているため、あなたのリスク許容度にあっている保証はない。あなたのリスク許容度にあった投資をするならば、自分で米国株式と債券のインデックスファンドを組み合わせて投資したほうが良い。

バランス型ファンドは一見安定した投資方法に見えますが、私はよりシンプルに米国株式インデックスファンドと債券インデックスファンドの投資比率を自分で決めて投資するほうがよいのではないでしょうか。

銘柄で迷っているなら、ぜひ超低コストの米国株式インデックスファンドへの投資を試すことを検討してみましょう。

短期的では米国株インデックスファンドとバランスファンドとの運用リターンの差は大きく違わないかもしれませんが、過去の歴史を見ると中長期で見れば株式100%の投資信託のほうがリターンが高いはずです。

過去が未来を決めるわけではありませんので、株式ファンドのほうが絶対リターンが高いと言い切ることはできないかもしれませんが、私はリターンが高い確率が高いものに投資したいと考えます。

あなたもバランスファンドがつみたてNISAでの中長期の運用に向いているのかどうか考えてみましょう。