あなたが家を買おうか賃貸のまま続けるか悩み始めたのはどんなきっかけでしょうか?
周りが家を買いだしたから、結婚して子供ができたから、家賃を払っていても自分のものにならないのでもったいないんじゃないかと思ったから等様々だとお思います。
私は家を買ったことはなくずっと賃貸で十分だと思っているのですが、「やはり、家を買うより賃貸がいい」という思いを強くしました。
今回は家を買おうか考えている人向けに、何故家を買うより賃貸がおすすめなのか説明します。
長年住んだ後の持ち家に資産価値はないので投資上のメリットはない
家を買うことを正当化するロジックとしては、
- 賃貸住宅で家賃を払っていても家は自分のものにならない
- 一方、家を買ってローンを払い終われば家が自分のものになる
- 毎月のローンの支払額は家賃と同等か低いのでお得である
というのが一般的でしょう。
家を買えば最終的に自分の資産になりメリットがあるというものです。
でも、これって正しいのでしょうか?
住宅ローンは最大35年ローンです。
仮に25歳のときに35年ローンを組んで家を買ったとして、完済するのがあなたが60歳になった時です。
60歳で定年を迎えたときに自宅が自分のものになっていて安心と思えるのですが、果たしてその35年経った家にどれだけの市場価値があるんでしょうか?
逆の質問をすると、「あなたは今築35年の中古住宅を大金出して買いますか?」
中古住宅を買う人はいると思うのですが、多くの人は築10年〜20年程度の中古住宅を探すのではないでしょうか。
築35年の中古住宅となるとマンションでは配管交換が必要になるなど設備が大きく老朽化します。
その築35年の中古住宅を買って住んでいる人は(資金的な問題はありますが)大規模修繕工事をして住んでいくしかありませんが、そういう中古住宅をあなたはあえて買いますか?
私なら他に選択肢があるのであればあえてそんな古い中古住宅を買いません。
修繕に手間がかかりますし、住宅の見えない部分が大きく老朽化しているリスクもあるので素人にはリスクが高すぎると考えるからです。
あなたもあえて築35年の中古住宅を買わないのではないでしょうか。
冷静に考えて、「あなたや私が今買おうと思わない中古住宅を35年後にあなたの住宅だけは誰かが高い価格で買ってくれる」と想定するのは無理があります。
家を買えばあなたのモノになるのは事実ですが、それに資産価値があるかどうかはまた別の話です。
家を買うことによるリスクは何か
家を買っても長年住んだ家に資産価値があるかは疑問ですが、それに加えてリスクがあります。
- 台風や地震などの大規模な自然災害で家や家の設備が壊れて住めなくなる、あるいは修繕に多額の資金がかかるリスク
- 隣人含め近隣の住環境が大きく悪化するリスク。
35年先の周辺環境がどうなるかなんてきちんと予測できません。 - 売りたいときに売りたい価格で売れないリスク。
これだけ空き家が増えてくると、中古住宅の購入者には多くの選択肢があるので、あなたの家が選ばれるとは限りません。 - 全く売れずに売れ残るリスク。
自宅が売れればいいのですが、築35年の自宅に誰も買い手がつかないリスクもあります。 - 自由に住む場所を変えられないずに仕事の機会を逃すリスク。
転職をすることも普通にある時代ですが、自宅がボトルネックになって良い会社に転職できないリスクもあります。あなたが神奈川県の鎌倉に自宅を持っていたとして、埼玉県の大宮の会社が幾ら魅力的だとしても鎌倉から大宮へ通うのは厳しいので転職できませんよね。
もちろん、渋谷、表参道、代官山等人気のエリアの駅近の自宅を持っていれば、売買は容易ですし貸し出してもいくらでも借りてはつきますが、そういったところの家は最近は8,000万円〜1億円以上はするでしょうから普通のサラリーマンは買えません。
結局都心のターミナル駅から少し離れたところに家を買うことになるでしょうから、上で列挙したようなリスクはあります。
賃貸であれば大雨による浸水でタワマンが住みにくくなったとしたら、別の場所に引っ越せばいいだけです。
我慢してタワマンの高層階から下まで階段を歩いて降りる必要はありません。
また、賃貸であれば、管理状況や経年変化で住宅の設備が老朽化してきたら、もっと設備がちゃんとした住宅に自由に移り住むことができます。
自宅を保有していれば、修繕費を出して修繕をせざるを得ません。
さらに、私自身が最も大きなリスクだと感じているのは、家を買うことで人生の選択肢が狭まるリスクです。
今の日本で35年ローンで家を買ってしまったら、もう何もリスクは取れません。
サラリーマンとして粛々と働きながらローンを返していく人生が残っているだけです。
家を買うより賃貸がおすすめ
とはいえ、家族向けの良い賃貸住宅がないので家を買わざるを得ないと思う人もいるでしょうが、実はそうではありません。
都心部でも月25万円程度出せば十分なグレードの家族向け賃貸住宅に住めます(都心の周辺部の話です。表参道とか六本木はこの家賃では無理です)。
月25万円の家賃が高すぎるなら、もう少し離れたところで月17〜18万円出して良い物件を借りるのもいいでしょう。
都心から更に離れれば月10万円〜15万円程度でも家族向け賃貸住宅は十分にありますよ。
平均的なところで月17万円を30年間払うと6,120万円にもなり新築マンションが買えるじゃないか!!という批判はあるでしょう。
ただ、私は都心の超好立地物件の駅近物件を除いて、築35年の中古住宅に世間一般で思われているほどの資産価値はないと考えているので、家賃で月17万円を払ってでもリスクを回避したほうが良いと考えています。
賃貸住宅に住むことで
- 自然災害で住宅が壊れたら別の住居に気軽に引っ越せる
- 近隣の住環境が悪化したら、もっと良い環境のところに引っ越せる
- 築35年の中古住宅が売却できないリスクを負わない
- 転職する際に自由がある。賃貸は気軽に引っ越せるので、東京から大阪やシンガポールの会社に応募することも可能
といったメリットがあります。
私自身は自宅を買おうと思えばいつでも買える資金はありますが、不動産を所有するリスクが大きすぎると感じているのと賃貸住宅のメリットが大きいと感じているので買いません。
家を買うより賃貸がおすすめです。
賃貸家賃の捻出の仕方
家賃月17万円って高いですよね。
これが家賃月25万円となると流石にちょっと高額です。
でも、ちょっと考えればこの程度はどうにでもなります。
夫婦それぞれが副業で月5万円づつ稼げばいいのです。
家計として夫婦で月10万円を副業で稼げば、サラリーマンの給与から出す金額は月15万円だけです。
副業で月5万円程度を稼げるようになるまでの期間は、体感で半年〜1年です。
個人差はあるでしょうが1年間副業に真剣に取り組んで、月5万円が稼げないってことは多くないはずです。
1年間だけ夫婦で一緒に副業に取り組めば安定して合計月10万円の副収入を得られる可能性が高いので、頑張って取り組んでみてはいかがでしょうか。
そうしれば、自宅を買って不動産のリスクを抱えることなく、快適な住居を借りることができますよ。
月25万円だせれば東京でも多くの選択肢はありますからね。
まとめ
家を買うより賃貸がおすすめな理由を説明しました。
自然災害で自宅が大きく損壊したという報道をみて、あらためて家を買うことのリスクを痛感しました。
合理的に行動するなら、家を買うより賃貸の方が良いです。
もちろん、十分なグレードの賃貸住宅に住むにはある程度の家賃を払う必要はあります。
東京周辺だとだいたい月17万円〜25万円くらい必要ですね。
でも、このくらいなら夫婦が力を合わせて副業で月合計10万円程度払えば、多くの家庭で無理なく支払えます。
家を買うリスクを負うより、副業で稼いで賃貸住宅を選ぶのが良いと思いますよ。
日本は自然災害が非常に多い国です。
全く予期しない自然災害がいつ何時起こるかもしれませんので、身軽な賃貸にしておいてどんな状況にも即応できるようにするのがおすすめです。