あなたはタワーマンションを購入したいですか?

私は以前シンガポールに住んでいたときに中心部の高層コンドミニアム(日本で言うタワーマンション)の高層階に住んでいました。

実際住んでいたので都心部のタワーマンションの利便性や高揚感は体験として理解しつつも、日本でタワーマンションを購入する気にはなれないんですよね。

タワーマンションを買うお金があればJリートに投資し、配当金をもらいつつタワーマンションを賃貸で借りるほうが良いと思っています。

今回はタワーマンションの購入を検討しているあなた向けに、私がなぜタワーマンションの購入より同額資金を使ってのJリート投資をおすすめするのかを説明します。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:タワーマンションの購入を真剣に検討している人。
    • 得られること:タワーマンション購入資金を使ってのJリート投資という選択肢があることがわかります。

都心のタワーマンション購入に必要な資金はかなり大きい

都心部のタワーマンションを中古で購入するのに必要な資金は、

  • 2LDK
  • 築15年以内
  • 駅徒歩10分以内
  • 千代田区、文京区、港区、渋谷区あたり

の条件で、約8,000万円くらいの価格イメージです。

これは中古の価格なので、新築ならおそらくもっと高いですね。

湾岸ならもっと安いのですが、SUUMOでちょっと調べただけでも勝どき、晴海、月島のタワーマンションは大量に売りに出されていて書かう崩壊の懸念があるので湾岸は買う気は全く出ません。

都心で暴落リスクが大きくなくまともに流通可能な(いつでも売却可能という意味です)タワーマンションを買うなら、中古でも8,000万円は最低必要でしょうね。

タワーマンション購入のデメリット

私はタワーマンションを購入する気はないのは以下のデメリットを感じているからです。

    • 普通のサラリーマン世帯が8,000万円を使ってタワーマンションを購入すると資産の大半がタワーマンションになってしまい、ポートフォリオのバランスに欠ける。
    • 不動産は売りづらいので換金性に掛け、機動的な運用ができない。
    • タワーマンションの長期的な運用管理に深刻な懸念を抱いていて、資産価値が劣化するイメージしかない。

タワーマンションは通常一棟に多くの戸数があります。

戸数が100以上なんていうタワーマンションはざらにありますが、もし将来大規模な改修が必要になり、修繕費の積み立てが不足した場合に住民の大多数が合意して修繕費の拠出に同意するなどという想定は現実的なのでしょうか?

私は大いに疑問です。

築15年〜20年の大規模修繕のタイミングではすればタワマンの所有者も大きく入れ替わっているでしょうから、100戸以上もあるタワーマンションで住民の多数の合意形成をすることは極めて難しいです

メンテナンスがきちんとできないとタワーマンションは加速度的に劣化し、廃墟化さえするリスクがあります。

また、果たしてタワーマンションの補修をきちんとできる技術力を持つゼネコンがどれだけあるのかも疑問です。

仮に奇跡的に住民の合意ができ修繕費が捻出できたとして、高層タワーマンションの補修ができるゼネコンが存在するのか、よくわかりません。

タワーマンションの中長期的な老朽化リスクは深刻だと考えているので、そんなリスクを取ってあえてタワーマンションを購入する必要があるのかが大きな疑問です。

Jリート投資がタワーマンションの購入より優れている点

私は8,000万円でタワーマンションを購入するなら、同額をJリートに投資したほうがはるかに良いと考えています。

理由は以下です。

    • Jリートは株式市場で取引されていて、換金性は非常に高い。
    • 安定した配当がある。
    • 資産劣化リスクがない。

Jリートはタワーマンションより換金性が高い

Jリートは東京証券取引所に上場していますので、取引所があいていればいつでも売買できます。

極端な話、8,000万円分のJリートを持っていても、一週間以内に全額現金に換えられます(よほど流動性の低いものに極端に投資している場合を除く)。

一方、タワーマンションは相対取引で購入者が現れなければいつまでも現金化できません。

武蔵小杉や湾岸のタワーマンションのように大量に売りに出されている場合は、買い手がつくかどうかもわかりません。

売りたいけど売れない状況に陥ります。

同じ不動産投資でもJリートはタワーマンションに比べて圧倒的に換金性が優れています

Jリートは安定した配当がある

記事執筆時点のJリートの配当利回りは約4.33%、税引き後でも3.5%です。

もし8,000万円をJリートに投資したとすると、年間税引き後280万円の配当金を受け取れます。

月々だと約23万円相当の配当金になります。

毎月23万円使えるのであれば、十分に都心部のある程度のグレードのタワーマンションには住めますよ。

Jリートは資産劣化リスクがない

Jリートにはタワーマンションのような資産劣化リスクがありません。

厳密に言えばJリートが保有している建物は老朽化していくわけですが、Jリートの運営会社がきちんとメンテナンスしてくれるので全く問題ないです。

Jリートの運営会社は、保有物件の価値を上げ賃料を増やすことが仕事なので、全力を尽くしてきちんとメンテンナンスや資産価値につながる改修をしてくれています。

さらに、Jリートの中でも時々銘柄の入れ替えもやってくれますので、資産劣化は非常にしにくいです。

さらに、仮に投資しているJリートの保有物件が老朽化して競争力がないと思ったら、Jリートを売却してもっと競争力のある物件を保有しているJリートに乗り換えることも極めて簡単にできます。

つまり、リート投資の場合はタワーマンションと違って個人が大きな資産劣化リスクを負わずにすみます

まとめ

タワーマンションの 購入よりJリート投資がおすすめな理由について説明しました。

基本的にタワーマンションに住むことと購入は切り離して考えたほうが良いというのが私の提案です。

タワーマンションに住むために、個人が巨大な不動産劣化リスクを負って購入する必要はないと思います。

いまはJリート投資で安定的に3%前後の税引き後配当を受けられます。

このため「タワーマンションを購入する資金はJリート投資に回し、Jリートの配当金でタワーマンションを借りて住む」ほうが資産の安全性・換金性の観点で優れた投資方法だと思います。

タワーマンションを購入するメリットが一つあるとすると、借金をして購入し物件の価格が上がった場合は大きなリターンを得られることです。

ただ、これは不動産投資のメリットと言うよりも、借金をしてリスクを取ってレバレッジを掛けた場合のメリットと位置づけたほうが正確です。

今の人口減少社会の日本で不動産の価値が継続的に値上がりすることが期待できるとはとても思えないので、より安全性の高いJリート投資にとどめておいたほうが懸命なのではないのか、と私は思います。

タワーマンションの購入されているあなたも、Jリート投資から得られる配当金でタワーマンションに賃貸で住む、という別の選択肢も検討してみてください。