高い配当利回りにつられて高配当株を買ったけど、株価が暴落して大損した!!なんてことありませんか?

例えば、日本たばこ産業の配当利回りは7%近い水準ですが、チャートを見ると株価は完全に右肩下がりです。

含み損が30%になっても配当利回り7%を5年持てば取り返せるから気にしない♪という人はいいですが、できれば株価が大きく下がるのを避けつつ高配当を貰いたいですよね。

そんなうまい話があるの?

と思うかもしれませんが、債券ETFをうまく使えば大きな含み損を回避しつつ高い利回りを狙うことは可能です。

今回は日本で買える高利回り債券ETFについてまとめて紹介します。

なお、今回は配当利回り3%以上の銘柄のみを紹介します。

日本で買える代表的な高利回り債券ETFは何か?

日本で普通に買える高利回り債券ETF(表面利回り3%以上)は、以下となります。

  • 東証、上場インデックスファンド新興国債券:5.59%
  • 東証、iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債ETF(為替ヘッジあり):4.80%
  • 米国、SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカル ETF (TOTL US):3.13%
  • 米国、SPDR ブラックストーン/GSOシニアローンETF (SRLN US):4.59%

なお、ETFを含む米国銘柄から受け取る配当には10%の源泉徴収税がかかりますので、税引前の利回りは米国銘柄の利回りに0.9%をかけて計算して下さい。

債権の種類としては、米国債などの先進国債券に投資するものではなく、

  • 新興国債券
  • ジャンクボンド
  • アクティブに様々な高利回り債券に投資する
  • シニアローン=第一順位担保 権付変動金利型バンクローン

といったものに投資する債券です。

なお、上記すべてSBI証券で購入することができます。

高利回り債券ETFの投資対象とリスクは何か?

では、もう少し細かく高利回り債券ETFの投資対象とリスクについて検討していきましょう。

当たり前ですが、大切なお金を投じる前には何に投資するのかを理解し、どのようなリスクが有るのかも把握することが重要です。

上場インデックスファンド新興国債券の投資対象とリスク

上場インデックスファンド新興国債券はその名の通り新興国債券に投資するものです。

保有銘柄は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、チェコ、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、韓国、メキシコ、マレーシア、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、タイ、トルコ、南アフリカの債券です。

一例を上げると、

  • REPUBLIC OF ARGENTINA
  • LETRA TESOURO NACIONAL
  • NOTA DO TESOURO NACIONAL
  • BONOS TESORERIA PESOS
  • HUNGARY GOVERNMENT BOND
  • INDONESIA GOVERNMENT
  • ISRAEL FIXED BOND
  • KOREA TREASURY BOND
  • MEX BONOS DESARR FIX RT
  • REPUBLIC OF SOUTH AFRICA

一見リスクが高そうに見えますが、アフリカは南アフリカまで、南米もペルーまで程度しか投資していないので、実際にはそんなに超ハイリスクってことでもないでしょう。

普通に観光旅行に行くような国の債券ですね。

ウガンダ、ジンバブエ、ホンジュラス、キルギスタンなどのもう少しリスクが高そうな国もありますが、それらには投資していません。

うまく説明ができなくて恐縮ですが、上場インデックスファンド新興国債券普通の国の債券に投資しています。

私も保有中ですが、円建ての債券ETFで利回りが6%近いというのは非常に魅力的です。

アルゼンチンがデフォルトしたりすることもあるでしょうが、この債券ETFは非常に広範囲に投資しているので、実はそれほどリスクは高くないという印象です。

iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債ETF(為替ヘッジあり)

iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債ETF(為替ヘッジあり)は米ドル建てのハイイールド社債に投資するETFです。

保有している債券は、

  • Altice France(仏・通信)
  • Sprint(米・通信)
  • TransDigem(米・航空機部品)
  • CCO Holdings(米・通信)
  • Bausch Health(米・医療用品)

などといった大規模な資本投下を必要とするが、安定した売上が期待できる企業の社債がメインです。

昔の財務がやばかったころのソフトバンク社債に投資しているようなイメージです。

現在のような低金利が続く中で、大企業が早々に破産することもないので、ハイイールド社債といっても普通に投資していいと私は考えています。

金利が上昇局面になってくると金利負担が非常に大変になるので、金利上昇局面では早めに売ったほうがいいかもしれませんけど。

SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカル ETF

SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカル ETFは最近話題の債券ETDです。

Smart ETFともいいますが、アクティブ型の債券ETFです。

新債券王といわているジェフリー・ガンドラックという人のDoubleline Capitalという会社が運用指示をしているものです。

パッシブ型ではないので事前にどういった債券に投資するかはわからないのですが、どうせETFの中身なんて詳細にはわからないので絶対リターンが実現できればそれでいい、ジェフリー・ガンドラックは天才だから多分OKって思える投資家はこの債券ETFは悪くありません。

債券は株以上にわからないので、ジェフリー・ガンドラックのトラックレコードがいいのであれば、それに乗っかるのは悪くない判断です。

保有銘柄は、

  • 米国債
  • ファニーメイ社債
  • フレディーマック社債
  • いろいろなモーゲージ債
  • いろいろな新興国債

等です。

非常に多種多様な債券に分散投資している印象です。

こんなポートフォリオを個人で作るのは不可能ですから、非伝統的な債券クラスもポートフォリオに組み入れて積極的に高い利回りを狙いたい投資家にはSPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカル ETFはおすすめです。

経費率は0.65%と少し高めではありますが、Doubleline Capitalが運用する高度に分散されたアクティブ型債券ETFを0.65%の経費で投資できるのであれば格安かもしれません。

SPDR ブラックストーン/GSOシニアローンETF

SPDR ブラックストーン/GSOシニアローンETFもSPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカル ETFと同様に従来にはなかったタイプの債券ETFです。

債券ETFというとだいたい国債、社債に投資するものがほとんどでした。

SPDR ブラックストーン/GSOシニアローンETFはそういった伝統的な債券ではなく、バンクローンに投資するものです。

楽天証券の説明を引用すると、

ニア・ローンは投資適格未満の事業会社への担保付き貸し付けであり、弁済順位が最も高く位置付けられます。その利率は変動金利に一定の固定利率を上乗せして決定されることから、比較的高い利回りを確保しつつ、金利上昇時にはさらに利回りが上がるという特徴を持っています。

というように弁済順位の高い担保付き貸付に投資するものです。

保有しているバンクローンは、

  • CenturyLink
  • Envision Healthcare
  • Univision Communications
  • The Dun & Bradstreet
  • Scientific Games International
  • McAfee

といった会社向けの貸付です。

一番保有割合の大きいCenturyLinkのバンクローンでもETF全体の2.32%にとどまりますので、広範囲にリスクを分散させた債券ETFといえるでしょう。

SPDR ブラックストーン/GSOシニアローンETFは非伝統的な債券に投資し、ポートフォリオ全体の利回りを上げたい配当投資家には向いていると思います。

まとめ

日本で買える代表的な高利回り債券ETFについてまとめて紹介しました。

新興国債券ETF、ハイイールド社債ETF、非伝統的な債券を組み合わせたアクティブ型ETF、バンクローンETFといった従来の「安定」「安心」という債券のイメージとは違う、少しリスクを取った債券ETFを使うことで、安定した利回り3-4%をあげることは十分に可能です。

金利が上昇し始めると非伝統的な債券ETFの相対的な強みは薄れてきてしまうので金利水準には注意が必要です。

ただ、当面は世界のどの地域でも金利を上げられるという状況にはならないと思うので、今の段階では債券ETFに積極的に投資しても良いと思います。