よく「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」という話があります。

家賃を払ってもいつまでたっても自分のものにはならないけど、家を買ってローンを完済すれば自分のものになるから、買ったほうが得という話ですね。

本当にそうでしょうか?

今回は「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」という理屈について検証します。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」と思い自宅の購入を検討している人
    • 得られること:「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」論が何故間違っているかがわかります。
スポンサーリンク

今回のマンションの賃貸、購入の損得論の前提

今回は、頭金1,000万円、35年の変動金利0.457%での借り入れ5,000万円で、6,000万円の58平米の2LDK新築マンションを買うとしましょう。

サラリーマンが5,000万円の長期借り入れをするのはリスクが大きすぎる気もしますが、超低金利なのでこういう選択をする人もいるでしょう。

賃貸に出した場合、賃料23万円+管理費1万円で貸せる物件と仮定します。

都内だったらこんなものでしょう。

Eローンのシミュレーションによると、

  • 借入金額:5,000万円
  • 返済期間:35年
  • 月々の返済額:128,845円
  • 金利:4,114,805円
  • 返済総額:54,114,805円

です。

修繕積立金は1㎡あたり202円と仮定し、月々11,716円です。

修繕積立金は本来であれば年々上がっていくものでしょうが、計算の簡素化のために変わらないと仮定します。

管理費は、賃料のところに書いたように月1万円と仮定します。

家を買った場合は固定資産税もかかりますが、それも今回は無視します。

そのかわりに、住宅ローン控除も無視します。

家は買ったほうが得なのか検証した結果

今回の前提では、頭金を含めた支払総額は

頭金10,000,000円+借り入れ返済額54,114,805円+修繕積立金と管理費21,716円x12ヶ月x35年=73,235,525円です。

一方35年間借りた場合は、24万円x12ヶ月x35年=10,080万円と1億円を越えます。

家を買った場合に比べ、賃貸は2,564万円余計に支払う必要があり、

マンションを買った場合はマンションが自分のものになるのに比べ、賃貸の場合は何も残りません。

新築で6,000万円で買った都心のマンションであれば、状態にもよりますが35年後でも2,000万円くらいにはなりそうです。

そうすると、賃貸と購入の場合合計で4,500万円くらい購入のほうが得ということになります。

ほら!家は買ったほうが得じゃん。

と思うかもしれませんが、実はこの議論はすごく重要な点を見過ごしています。

賃貸の場合は頭金相当を運用に回せるのです。

賃貸の場合は、頭金が必要ありませんので1,000万円を運用に回せますよね。

1,000万円を仮に年間利回り7%で35年運用できたとすると、106,765,815と1億円以上になります。

計算式は、=10000000*(1+0.07)^35 ですので、あなたも検証してみてくださいね。

運用を考慮しなければ購入のほうが賃貸よりも4,500万円得だったのですが、運用を考慮すると賃貸のほうが5,500万円得になります。

年間利回り7%で運用するのは難しいよ!

っていう方に、仮に年間利回り5%で運用するとして検証しても、1,000万円は35年後に5,500万円になるので賃貸で頭金を運用したほうが得ですよ。

つまり、投資家の観点で見ると、超低金利の年0.457%で計算したとしても、「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」は間違っていると言えます。

長期のローンで家を買うことのリスク

「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」論については、頭金を運用できる分賃貸が得であることがわかりました。

これだけで終わりでもいいのですが、更に家を買うことのリスクを述べてみましょう。

  • 35年間も継続して働き続けられるかどうかわからない。
  • 現在のような変動金利が続くとは限らない
  • 35年経った中古マンションに値段がつくかわからない
  • マンションが35年にわたってきちんとした管理状況を維持できるかわからない
  • 35年の間に住む場所を変えたりや海外在住をしたくなるときに、家が足かせになる

35年間も継続して働き続けられるかどうかわからない。

今回のケースのように5,000万円もの借り入れをするには、額面年収は1,000万円はないと家計を維持できないと思います。

仮に今あなたの世帯年収が1,000万円を超えていたとしても、35年ずっとそれを維持できる保証はどこにもありません。

会社が40代以上を大量に解雇し始めている時代に、35年間高い年収が続くと想定するほうが非現実的ですよね。

今後の日本は間違いなく解雇が自由な社会になります。

そうしないと企業の国際競争力を維持するのは無理だからです。

私からすると来年だってどうなっているかわからない時代ですから、35年もの長期ローンをコミットするのは難しいと思いませんか?

現在のような変動金利が続くとは限らない

じぶん銀行で住宅ローンの借入金利が0.457%という広告が出ていたのでその数字を使って計算しましたが、こんな低金利がずっと続くわけがありません。

超低金利でギリギリ返済できる状況だとすると、金利が少しでも上がるとたちまち住宅ローンの返済が苦しくなります。

Eローンのシミュレーションだと、月々の返済額は

  • 金利0.457%:月128,845円
  • 金利1%:月141,143円
  • 金利1.5%:月153,092円

と金利が上がるに従ってどんどん上がっていきます。

月々の支払いは、返済額に加えて管理費と修繕積立金、そして固定資産税がかかることに留意してください。

35年経った中古マンションに値段がつくかわからない

賃貸より家を購入したほうが得という場合、購入していればいずれ家は自分のものになるが賃貸の場合は何も残らないと言われます。

これ自体は正しいです。

しかし、冷静に考えてみてください。

日本ように新築が良いという神話がある社会で、築35年の中古マンションにどれだけの価値があるのでしょうか。

あなたは今家を買おうとした時、築35年の中古マンションを買いますか?

多分、積極的には買わないでしょう。

あなたが積極的に買わないものを、なぜ他の人は価値を見出すと思うのでしょうか?

確かに35年の住宅ローンを払い終わればマンションはあなたのものになりますが、果たしてその「資産」に値段はつくでしょうか?

実際問題、私が中古マンションを探すときは築10〜15年までの物件しか検索しませんので、築35年のマンションは検索に引っかからず存在市内も同じです。

マンションが35年にわたってきちんとした管理状況を維持できるかわからない

マンションが価値を維持するためには管理が非常に重要です。

あなたが新築で買ったマンションが、今後住宅ローンを払い終える35年先まできちんとした管理状況を維持できる確証がどこにあるのでしょうか?

結局区分所有のマンションは、マンションのプロではない人々が管理組合を作って管理を決めるものです。

新築当初はきちんと管理できるでしょうが、年が経つに連れマンションの住民も入れ替わり、管理にあまり興味のない住民も増えていくでしょう。

そういう状況が想定される中で、35年にわたってあなたが新築で買ったマンションがうまく管理されていくか不安はありませんか?

マンションの管理がうまく行かなくなった場合、住心地も悪くなりますし、資産価値も落ちてしまいますよ。

35年の間に住む場所を変えたりや海外在住をしたくなるときに、家が足かせになる

最後は生き方の問題です。

私の人生における最重要価値は自由です。

「制約なく自分の好きなように人生を生きたい」という希望を持っています。

住む場所もいまは東京に住んでいますが、気が向いたら福岡に住んでみたいですし、チェンマイやクアラルンプールに住んでみるのも良いなあと思っています。

住む場所を変えようとした場合、住宅ローンがあると自由に行動ができませんよね。

私は家が人生の足かせになるのは嫌ですね。

まとめ

「家賃を払うのはもったいないから、家は買ったほうが得」という議論に対して、投資家の視点から検証してみました。

結論は、「家を買うよりも賃貸のほうが、頭金相当額を中長期で運用できる分得である」といえます。

こういうと変動金利0.457%の時代に、年間利回り5%や7%で回せられるわけない!という反論が出ると思いますが、株式投資できちんと運用すればいつの時代でもどんな状況下でも5%や7%で運用するのは余裕でできますよ。

投資をやったことがない人が7%で運用するのは無理と言ったって、あまり説得力がありません。

実際私はそれで運用できていますからね。

それでも住宅を買いたいという思いは否定しません、

私も自分の家があったら良いなあと思うときはあります。

ただ、「家を買う」という場合は、経済的には賃貸よりも損をする可能性が高いことは認識した上で、教育環境など経済的なものよりも優先すべき事項がある場合に決断してはどうでしょうか?

世の中にはお金よりも重要なものはありますから。

 

 

SBI証券
スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう