人生100年時代が到来すると言われていますが、その中でサラリーマンはどんな生き方をしたらいいと思いますか?

人生100年時代に対しては、日本政府も「全ての人に開かれた教育機会の確保、何歳になっても学び直 しができるリカレント教育、これらの課題に対応した高等教育改革、新卒一括 採用だけでない企業の人材採用の多元化、多様な形の高齢者雇用、高齢者向け 給付が中心となっている社会保障制度の全世代型社会保障への改革」といったことを大きな課題としています(人生 100 年時代構想会議 中間報告)。

人生100年時代には今までと同じような「新卒で会社に会社に入り定年まで勤め、その後は年金で悠々自適に暮らす」という生き方を維持するのは不可能です。

サラリーマンは生き方を変えないといけません。

今回は人生100年時代におけるサラリーマンの新しい生き方について説明します。

老後の余生なんてものはなく、一生働き続ける時代になる

2019年の「老後資金が2,000万円不足する」という報道で、老後が不安になったサラリーマンも多いと思います。

定年退職して給与所得が無くなった中で、生活資金が枯渇するのは恐怖ですからね。

実は老後資金2,000万円不足の問題の解決は簡単です。

老後も皆が死ぬまで働き続ければよい」のです。

現在では政府の政策においても、定年の延長や再雇用の促進など60歳以降も働き続けることが推奨されるようになっています。

年金が豊かな生活をおくるのに十分なワケがないのですから、何歳になっても働き続けて生活費を稼げば良い、という簡単な話です。

また、今後は定年という仕組み自体が廃止(あるいは禁止)される時代になるでしょう。

健康で働けるのであれば、年齢は問わずずっと働く時代になります。

年齢差別の廃止・禁止ですね。

定年が廃止されるとどうなるのでしょうか?

定年が廃止されると同時に会社が金銭を払えば従業員を自由に解雇できるようになります。

そうでないと組織の新陳代謝が進みまなくなり、日本企業の競争力が著しく阻害されてしまいますから。

年取っても有能な人は高給で働き続ければいいし、若くても無能な人は簡単にクビになります。

会社から指示されたジョブローテーションに従うのは自分にとって危険になる

定年廃止と同時に金銭解雇が自由になることが予想できる場合、サラリーマンは生き方を変える必要があります。

一生働き続ける必要がありかつ勤務先から解雇されたりするのが普通の時代になるのですから、一生自力で稼ぐ能力が必要ですよね。

昨今の大企業の大量解雇や希望退職の例を見ても分かりますが、会社があなたの生活を守ってくれることはありません。

今までのように社内のジョブローテーションで営業、人事、総務のような異なった職を経験して、その会社のことをよく知りその会社でスムーズに仕事ができたところで、業績が悪化すれば簡単に解雇されるようになります。

転職をしようとした場合、履歴書に営業3年、人事3年、総務3年、工場勤務3年といったように書いてあると、履歴書を受け取る側の立場に立ってみると

この人は何がしたい人なのか?
この人は何ができる人なのか?

がさっぱりわかりません。

ジョブローテーションをしてきたサラリーマンの履歴書から読み取れることは、

  • この人にはやりたいことがない
  • この人には自分のキャリアプランがない
  • この人には専門性がない

というネガティブな話で、雇う側からすると非常に雇いにくいと思います。

転職の履歴書をみて

  • キャリアにあなたの意思が見えること
  • (若い頃を除き)キャリアが一貫していること
  • あなたが何ができるのかがわかること

は非常に重要です。

人生100年時代を見据えた場合、サラリーマンも自分のキャリアプランにメリットのないジョブローテーションは拒否したほうが良いです。

会社が一生あなたの面倒を見てくれるわけではないので、ジョブローテーションを安易に受けてあなたのキャリパスを破壊するのは合理的な発想ではありません

唯一の例外は若い頃と事業部長クラス以上になった場合だけですね。

若い頃は自分が何に向いているかわからないので、ジョブローテーションでいろいろ職を変えるのはありです。

事業部長クラスで会社のマネジメントをやるのであればなんでもできないといけませんし、会社全体のこともわからないといけないので、担当替えもやむをえないでしょう。

ただ、ほとんどのサラリーマンにとってはジョブローテーションは害悪でしかなくなります。

サラリーマンも歩合給でも生き残れるくらいの専門性が必要

今後はサラリーマンも個人事業主のようになっていきます。

今後会社はその専門業務で人が必要だから雇い、成果がでなかったら簡単に解雇し人を入れ替えていきます。

給与体系も固定給というよりは歩合給に近い形になるのではないでしょうか。

サラリーマンも最悪歩合給になったとしても十分に生き残れるくらいの専門性と力が求められます。

個人事業主みたいなものです。

歩合給のような形になった場合一つの仕事だけをやるのはリスクが多すぎますので、複数の異なった仕事を掛け持ちでやりリスクを抑えるという働き方が一般的になるでしょう。

高い専門性が求められるようになった時代に、20年間同じ分野で専門性を磨き経験を積んできた人と、20年間いろいろな仕事をジョブローテーションでやってきたジェネラリストのサラリーマンが競争した場合、後者が前者に負けるのは明らかでしょう。

ただ、ある一定の分野で専門性を磨いたからといって、それで未来永劫に稼げるわけではありません。

時代は変わります。

人生100年時代で一生働き続ける必要があるのですから、時代に応じて専門分野も変えていく必要はあり、何歳になっても日々の鍛錬・訓練は必要になります。

まとめ

人生100年時代のサラリーマンの新しい生き方について書きました。

人生100年時代の到来前は

  • 60歳まで会社の人事に言われたとおりに社内でジョブローテーションをしつつずっと同じ会社で働いてきた
  • 転職や解雇はあまりなく、同じ会社でずっと働くのでジョブローテーションで会社のことをいろいろよく知っていることは価値があった
  • 定年後は年金で悠々自適に暮らせた

そして、これが人生100年時代でガラッと変わり、次のようになります。

  • 死ぬまで自分の専門分野で会社を変わりながらずっと働く
  • 普通に解雇され、転職も珍しくないので、専門性を磨いてどこの会社にも転職できることに価値がある
  • 定年という概念がなくなり、年金を受け取りつつ働き続けて一生を過ごす

私の若い頃には、「人事なんて交通事故みたいなものだ」と言っていた先輩がいましたが、今は交通事故を避けて自分の意思でサラリーマンという道をドライブする時代です。

これからの時代に人事を人任せにするのは、自分で主体的に生きることを放棄したのに等しいです。

人生100年時代には、常に自分の専門分野とキャリアプランを意識しながら、メリットのないジョブローテーションは拒否し、自分なりのきちんとしたストーリーを持ってサラリーマン人生を歩んでいきましょう。