2019年7月の日経新聞にラップ口座の残高が伸びているというニュースが出ていました。

日経の記事によると

日本投資顧問業協会は6日、投資家が金融機関に運用を任せる「ラップ口座」の契約残高が2018年度末で8兆8272億円だったと発表した。前年度比11%増え、7年連続で過去最高を更新した。主な顧客である富裕層や高齢者への販売が拡大した。

と伸び率は鈍化したものの、ラップ口座の残高は過去最高だったとのことです。

これをみて、私は大きな疑問を感じました。

何故ラップ口座なんて契約してしまうのだろうと。

私はラップ口座なんて契約するくらいなら低コストのバランスファンドのほうが100倍マシだと考えています。

今回は低コストのバランスファンドのほうがラップ口座よりおすすめな理由を説明します。

それでも「ラップ口座をやりたいんだ!」という人を止めはしませんが、私からするとラップ口座はあまり合理的な投資判断とは思えないのです。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:ラップ口座での投資運用を検討している投資家
    • 得られること:ラップ口座と比べて、低コストのバランスファンドのほうが優れている理由がわかります。

ラップ口座とは何か

ラップ口座をSMBC日興証券のホームページから引用すると以下のように説明がされています。

ラップ口座とは、投資家が証券会社などのサービス提供業者にある程度のまとまった資金を預け、資産管理・運用を行うための専用口座です。
ラップ口座のサービスを提供する業者によって名称はさまざまですが、「SMA(Separately Managed Account)」や「ファンドラップ」という名称が、国内においては多く使われています。国内のラップ口座では、一般的に複数の資産への分散投資により、投資家自身の投資目的や投資期間などに合わせたポートフォリオ運用が行われています。ラップ口座の「ラップ」とは英語のwrap(「包む」という意味)であり、運用に関する包括的なサービス(ポートフォリオの資産配分構築や比率調整に関するアドバイス、運用会社・投資信託などの紹介、投資一任契約に基づいた資産配分構築や株式・投資信託などの売買判断の一任、売買の注文執行、定期的な報告など)が、各業者によって定められたメニューの範囲内で提供されています。手数料は一般的に、売買ごとの手数料ではなく、資産残高に対して定期的に一定料率が課される体系や成功報酬による体系となっています。

ラップ口座は、500万円、1000万円、3000万円といったまとまった金額を証券会社等に預け入れて、証券会社などのプロと相談しながら方針を決めた上でプロに売買を任せて市場を上回るリターンを目指す商品です。

主に、お金を持っているが投資に関する経験と知識があまり豊富でないかあるいは時間がない富裕層・高齢者向けの商品です。

野村證券がCMを売っているように、いま証券会社や信託銀行が販売に力を入れている商品です。

野村證券が力を入れて売っているということは野村證券にとって収益が上がる商品でしょうから、それだけでも私は敬遠してしまいますけどね。

ラップ口座は何がダメなのか

では、何故私はラップ口座がダメだと考えているのでしょうか?

単純に3つの理由です。

  • 運用コストが高すぎる。
  • ラップ口座内の銘柄の入れ替えででも、投資家に課税が発生してしまう。
  • プロに任しても結局インデックスファンドに運用成績で負ける可能性が高い。

ラップ口座の運用コストは高すぎる

各社のホームページによると、ラップ口座の運用コストは以下です。

MUFGファンドラップ:残高手数料【発注・約定等の管理に対する費用】+投資顧問料【投資一任契約に基づく運用サービスに対する費用】+投資信託の信託報酬。1000万円を預けた場合は、合計1.512%程度+信託報酬(最大2.2%)。

野村ファンドラップ:投資一任受任料(固定報酬制で最大0.4104%)とファンドラップ手数料(最大1.296%)+投資信託の信託報酬最大で信託財産の1.35%±0.70%(概算))

日興ファンドラップ:預け入れ資産が5,000万円以下の場合で、日興ファンドラップ手数料0.972% +日興ファンドラップ投資一任報酬0.324% +投資信託の信託報酬

運用コストが高すぎるだろ!!

と思いませんか?

私が推している楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合、信託報酬は0.1296%程度です。

一方ラップ口座で運用すると(信託報酬のコストにもよりますが)だいたい年2%程度の運用コストはかかってきてしまいます。

0.1296% vs 2%を比べると、ラップ口座のほうがインデックスファンドより年間運用コストが15倍高いです。

楽天・全米株式インデックス・ファンドとラップ口座を比べるのはあまりフェアではない気がしますので、バランスファンドと費用を比べてみましょう。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、信託報酬が年0.60%±0.02%です。

これはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが組み入れているファンドの信託報酬を含めての数字です。

eMAXIS バランス(8資産均等型)は、信託報酬が年率0.54%プラス若干の諸費用がかかります。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドやeMAXIS バランス(8資産均等型)といった低コストのバランスファンドとラップ口座の費用を比べると、ラップ口座のほうが3倍以上コストが高いです。

要するに、ラップ口座の運用コストが高いのです。

ラップ口座内の銘柄の入れ替えででも、投資家に課税が発生してしまう。

ラップ口座の場合は、投資家と証券会社などが投資一任契約を結んでいるもののラップ口座で持っている個別の投資信託、株、債券などは投資家が保有する形です。

あなたが株を持っていて売買すると利益に対して課税されるのと全く同様に、ラップ口座の中で売買をして銘柄の入れ替えをすると投資家が課税されます

一方、投資信託の場合は、投資信託の組み込み銘柄を入れ替えたところで、投資家が課税されません。

ラップ口座でも特定口座が使えるので納税自体は簡単にできるとして、いちいち銘柄を入れ替える際に20%もの課税をされてしまうと運用パフォーマンスが落ちますよね。

投資で成功するためにはできるだけ課税をされない方法あるいは課税を遅らす方法を選択するのがセオリーですのですので、ラップ口座は税金上致命的な問題点があります

プロに任しても結局インデックスファンドに運用成績で負ける可能性が高い。

最後は、「運用をプロに任せたら勝てるのか!?」というシンプルな疑問です。

これはアクティブファンドとインデックスファンドの運用成績の比較と同じことですが、プロに運用を任せることと運用で勝てることは全く関係がありません

インデックスファンドの運用成績を上回るアクティブファンドがあまりないことと同じなので、インデックスファンドの運用成績を上回るラップ口座も殆どないのではないでしょうか。

もしラップ口座の運用成績が主要インデックスを大きく上回っているのであれば、それは大きなセールスポイントになります。

私がざっと各社のラップ口座のホームページを見た限りでは、ラップ口座で運用すればS&P 500のような主要インデックスを上回る運用成績を上げられていますよ!!とアピールしている会社は一社もありません。

もちろん、中にはラップ口座で運用してS&P500を大きく上回っている人もいるでしょう。

ただ、確率的には単純に株式インデックスファンドに時間分散で投資していったほうが良い運用成績を上げられる可能性が高いのではないでしょうか

インデックスを上回る運用成績を出せる確信がないのであれば、ラップ口座をやる意味はありません。

ラップ口座よりバランスファンドのほうが優れている理由

バランスファンドのほうがコストが安い

ラップ口座よりも、シンプルに楽天・全米株式インデックス・ファンドを積立投資したほうが、

  • 簡単
  • 低コスト
  • 運用で勝つ確率も高い

と私は思っています。

ただ、そんなことをいっても、

米国株式へ資産を集中投資するのは怖い!!

という人が多いでしょう。

そこにラップ口座が漬け込むスキがあるのですが、あなたがそう思っているのであればぜひバランスファンドを検討してみてください

楽天・全米株式インデックス・ファンドが米国株式一辺倒の投資信託であるのに対し、バランスファンドは

  • 株式
  • 債券
  • 不動産
  • コモディティ

等複数の異なった資産に分散投資するものです。

米国株式一辺倒の投資信託に比べると中長期の運用パフォーマンスは落ちますが、安定性は非常に高くなります

代表的なバランスファンドは、

  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(世界中の株式と債券に分散投資)
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(世界中の株式、債券、不動産(リート)に分散投資)

の2本です。

他にも各社バランスファンドを出していますが運用コストが高すぎるので、基本的には上記2本を見ておけばいいです。

これら2つのバランスファンドであれば、

  • 簡単に
  • 低コストで
  • くの異なった資産に分散投資

できます。

株価が暴落したときには、債券が上昇するなど、株、債券、不動産(リート)はそれぞれ異なった値動きをする場合が多く、どれかが下がっても他の資産でカバーできるため運用の安定性が高いのです。

ラップ口座を検討しているくらいであれば、こういったバランスファンドのほうが低コストで良いですよ。

どうせプロに任したところでインデックスに勝てる確証はないのですから、低コストの投資信託に投資したほうが良いですからね。

バランスファンドでは、銘柄の入れ替えに課税されない

バランスファンドを保有している場合に、投資家が課税されるのはその投資信託を売却したときです。

そりゃそうです。

投資信託を売って利益が出たら課税されます。

そして、ラップ口座とは異なり、バランスファンドの中で銘柄を入れ替えたときには投資家には課税されません。

ここがラップ口座とバランスファンドの大きな違いですね。

ラップ口座の場合、資産を預けていて運用をしているだけで課税されます。

なぜならラップ口座の中で銘柄を入れ替えするときに投資家自身が課税されるからです。

これに対してバランスファンドの場合、投資信託を買って保有しているだけでは課税されません。

投資信託が値上がりしていけばずっと課税なしで持ち続けることができます。

中長期で資産を運用するのであれば、口座を維持しているだけで課税されかねないラップ口座よりも、不必要な課税を避けられるバランスファンドのほうが優れています

まとめ

ラップ口座の残高が過去最高を更新したというニュースをみて、「ラップ口座って本当に良いのか?」という疑問が湧いたことから、ラップ口座よりも低コストのバランスファンドのほうが優れているということを述べました。

かんぽ生命で不適切な保険が販売されていたことからもわかるように、証券会社などがラップ口座を強力に営業していればラップ口座を契約してしまう人は今後共増えていくでしょう。

それ自体を止めるものではありませんが、もしあなたがラップ口座の契約を検討しているのであれば、ぜひ

  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

といった低コストのバランスファンドも検討に入れてみてください。

それでもラップ口座が良いという人もいるでしょうが、冷静に考えてみると低コストのバランスファンドへの投資のほうが合理的な場合が殆どだと思いますよ。

SBI証券
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