あなたはオーストラリア株についてどんなイメージを持っていますか?

海外投資に興味がある人でも米国株や中国・香港株が中心で、オーストラリア株投資をやったことのある人はそれほど多くないのではないでしょうか。

私もオーストラリア株には興味がなかったのですが、昨今のように対豪ドルで円高が進んでいるときにオーストラリア株を買えば、為替+キャピタルゲインの二重の利益が得られるのではないかと思い興味が出てきました。

さらにオーストラリアの大手企業の配当利回りはそれなりに高いのもわかりました。

この結果、豪ドルが安く、オーストラリア株の株価も低いときに投資すれば、為替+キャピタルゲイン+高配当の三重の利益が得られる可能性が出てきました。

今回は、日本ではあまり知られていないオーストラリアの大手企業の高配当ランキングを紹介します。

なお、今回のランキングにはリートは入れていません。

オーストラリア高配当株ランキング

早速、オーストラリア大手企業の高配当株ランキングを見ていきましょう。

今回は以下のスクリーニング条件で銘柄を抽出しています。

  • 粗利益率:30%以上
  • 営業利益率:10%以上
  • 時価総額:500M AUD以上

きちんと利益が出ている企業でないと、安定的な配当を払われないため、当ブログとしては高配当株を探すときでも利益率には注目しています。

銘柄事業内容時価総額配当利回り
Telstra通信41.15B2.89%
Transurban高速道路運営38.13B3.37%
Woodside Petroleum石油・ガス開発19.70B6.61%
Sydney Airport空港運営12.36B7.13%
Aurizon鉄道9.15B5.46%
AusNet Services電力6.53B5.86%
SPDR S&P/ASX 200 Fund指数3.75B3.58%
Star Entertainmentカジノ2.53B7.68%
Sandfire Resources971.47M3.85%
G8 Education教育690.27M11.97%
GWA GroupBathroom&Kitchen686.26M6.73%

利益率の高いオーストラリアの大手企業から選んだつもりですが、平均配当利回りは4.6%にもなりますのでかなり高配当ですね。

オーストラリアの大手高配当銘柄にはどんな会社があるか

米国企業と違ってオーストラリアの大手企業はオーストラリア・ニュージーランド中心に事業を行っていることが多く、馴染みの少ない企業名も多いです。

今回リストアップした会社について概略を紹介します。

Telstra Corporation

Telstraの名前はオーストラリアに旅行したことのある人なら見たことがあるのではないでしょうか。

日本のNTTグループのようなオーストラリアを代表する通信会社です。

固定電話、携帯電話、企業通信などフルラインのサービスを提供する通信会社で、携帯電話では約50%の市場シェアを持つジャイアントです。

年間の営業数字は、

  • 売上:27.8B AUD(約2兆円)
  • 純利益:2.1B AUD(約1,550億円)

でした。

ソフトバンクグループの通信部門の売上高が年間約4.8兆円ですから、ソフトバンクの半分以下の規模です。

オーストラリアは人口が少ないだけ合って、No.1の通信会社の売上でも2兆円にとどまるのですね。

利益率としてはソフトバンクと同等の水準です。

売上高はそれほど大きくはないですが、オーストラリアで支配的なシェアを持つ通信会社ですので、ある程度安定的な利益を計上し続けられるのではないでしょうか。

Transurban

Transurbanはオーストラリアの有料道路運営会社です。

中国・香港株には有料道路運営会社が上場しているので投資をしたことがある人もいるかも知れません。

地域的には、シドニー、メルボルン、ブリスベンというオーストラリアの主要都市でビジネスを行っています。

年間の営業数字は、

  • 売上:4.1 AUD(約3,000億円)
  • 純利益:170M AUD(約120億円)

オーストラリア政府が所有している有料道路を買収したり、新規に建設したりして事業は拡大しています。

その反面、ファイナンスコストや建設コストが嵩んで利益が今はあまり出ていないのは懸念です。

今後は自動運転とゼロ・エミッションに対応したインフラを作っていく計画です。

今後は間違いなく自動運転が普及していくと思いますが、道路が不要になるわけではないのでTransurbanも安定した売上を計上し続けることができると思います。

Woodside Petroleum

Woodside Petroleumはオーストラリア最大の天然ガスの生産会社です。

North West Shelfプロジェクトにて35年に渡り天然ガス生産のオペレーションを行っている会社です。

North West Shelfプロジェクトには、Woodside Petroleumの他に

  • BHP Billiton
  • BP
  • Chevron
  • 三菱商事+三井物産の合弁会社
  • Shell

も投資していて、日本にも天然ガスが輸入されてきています。

年間の営業数字は、

  • 売上:5.2B AUD(約3,800億円)
  • 純利益:1.3B AUD(約940億円)

でした。

資源価格が低迷して株価が落ち込んでいるときは、Woodside Petroleumへの大きな投資チャンスなんじゃないかと感じます。

Aurizon Holdings

Aurizonはオーストラリアの鉄道会社です。

鉄道会社といっても日本のように旅客がメインではなく、資源と貨物輸送がメインビジネスです。

鉄道網を持っている場所はクイーンズランド州で、主に輸送している資源は石炭です。

石炭の需要が今後も続くのかどうかは判断に迷うところですが、Jパワーのホームページによると世界中の電力の4割はまだ石炭火力発電とのことで、急激に需要が減少することもないでしょう(世界中の電気の4割を担う石炭火力発電)。

日本だとまだ約3割が石炭火力発電とのことです(2018年(暦年)の国内の自然エネルギー電力の割合(速報))。

再編期待で株価が大きく上がっているので、投資タイミングについては注意しましょう。

AusNet Services

AusNet Servicesはシンガポールにも上場しているオーストラリアの送電・ガスの供給網を提供する会社です。

発電会社ではありませんので注意下さい。

株主構成は、

  • Singapore Power 31.1%
  • State Grid of China 19.9%
  • 残りは一般

というようにシンガポールと中国の政府系企業が主要株主です。

また価格設定はAustralian Energy Regulator (AER) という機関によって決められています。

要はゴリゴリに政策の影響を受ける企業です。

年間の営業数字は、

  • 売上:1.8B AUD(約1,300億円)
  • 純利益:253M AUD(約180億円)

となっており、そこそこ高収益を実現しています。

売上は2.5%しか伸びていませんので、高成長をする企業ではないですが、安定的に現金を生む企業と言えます。

Star Entertainment Group

Star Entertainment Groupはオーストラリアのシドニー、ゴールドコースト、ブリスベンでカジノホテルを運営している会社です。

年間の営業数字は、

  • 売上:2.1B AUD(約1,500億円)
  • 純利益:198M AUD(約140億円)

Star Entertainment Groupは、現在ゴールドコースト施設の再開発に2B AUDをつぎ込む計画で、カジノ客以外の観光客も呼び込もうとしています。

3,000部屋の宿泊施設を作り、シンガポールのマリーナベイサンズを超える施設をゴールドコーストに作るという計画です。

この再開発がうまくいけば、Star Entertainment Groupの業績も大きく変わりそうですね。

まとめ

オーストラリア大手企業の中で高配当株を紹介しました、

安定したインフラビジネスが高配当銘柄の上位に来ているのはどこの国も同じですね。

オーストラリアはまだまだ人口も増えていく国です。

豪ドルが安く、オーストラリア株の株価が低いときに買っておけば

  • 為替差益
  • キャピタルゲイン

が期待できます。

いつ豪ドルの価格が戻るか、オーストラリア株が戻るかはわかりませんが、高配当株に投資しておくことで長期間でも配当をもらいながら市場が戻るのを待つことができますよ。

豪ドルFXのスワップポイントが低い今、豪ドルへ通貨分散する際にはFXよりもオーストラリア株への投資のほうがおすすめですよ。