海外株に投資して配当金を狙うときに大きなボトルネックになるのが配当金に対する源泉徴収課税です。

確定申告で外国税額控除をすれば所得税の額から差し引くことができるとはいえ、手続きするのが面倒くさいですよね。

税金の計算や手続きを簡素化するためには、できるだけ配当金に対する源泉徴収課税がない国の株式に投資するのがいいと思いませんか?

今回は国際分散投資を行う上で重要なポイントである国毎の配当金に対する源泉徴収課税についてまとめます。

なお、本記事はDeloitteのWithholding Tax Rates 2018から抜粋したものですので、詳細は以下を参照してください。

Deloitte Withholding Tax Rates 2018

基本的な考え方ですが、配当狙いの投資であれば配当に対する源泉徴収課税がない国の株式・リートを中心にポートフォリオを組むのがいいと思います。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:配当金狙いの国際分散投資をする予定の投資家
    • 得られること:主要各国の配当金に対する源泉徴収税率がわかります。

オーストラリアの配当源泉徴収課税

日本の投資家がオーストラリアに投資した場合の源泉徴収課税ですが、DeloitteのサイトだけでははっきりしませんのでBaker & McKenzie のサイトも見てみましょう。

ソースは、Australia, Japan Sign New Tax Treaty です。

ここには、オーストラリアの株式の保有割合が議決権ベースで80%以上、10%以上、その他のケースが書かれていて、個人投資家の場合ほとんどその他に該当します。

その場合、

The maximum rate is 10% in other cases (although a 15% rate still
applies to certain distributions from Australian REITS and Japanese
REITS which are entitled to a deduction for dividends paid).

と記載があります。

つまり、日本投資家がオーストラリア株式に投資した場合の配当に対する源泉徴収課税は二国間協定により

  • 株式の配当10%

となるが、リートの配当は15%のままです。

ちなみに、以下記述によると通常の株の売買に伴うCapital Gainに対するオーストラリア側の源泉徴収はないようです。

(子会社を売却したなどの場合は課税される)

However, under
current Australian law, Australian capital gains tax generally only applies to
a non-resident in respect of the sale of Australian real property, the sale of
shares in a company the assets of which predominantly consist of Australian
real property, or the sale of the business assets of an Australian permanent
establishment.

財務省の「日・豪新租税条約について」にも同様のことが記載あります。

オーストラリアの配当源泉徴収課税は、株で10%、リートで15%と課税されてしまうので、個人投資家が配当金狙いでオーストラリアに投資するのはあまり効率的ではないと思います。

イギリスの配当源泉徴収課税

イギリスの配当源泉徴収課税ですが、Deloitteのサイトでは0%となっています。

イギリス企業が支払う配当金には源泉徴収がありません。

別のソースとしてPwCのWorldwide Tax Summariesもみてみると、ここには

Dividends
There is no requirement to deduct WHT from dividends. Therefore, dividends may always be paid gross, regardless of the terms of the applicable DTT.

と書いてあり、イギリス企業が非居住者に支払う配当金には源泉徴収がないことがわかります。

実際にイギリスADRに投資し配当金を受け取った方の報告でも配当金の源泉徴収はなかったとの報告が上がっているので、源泉徴収はないとみて良いでしょう。

BPの配当金が入金~英国ADRの配当金非課税制度を享受しています

日本のネット証券でもイギリスのADRは取扱が多く、かつ配当利回りも高いです。

例えば、2019年5月時点での配当利回りは

  • BP:5.77%
  • GlaxoSmithCline:5.15%
  • National Grid:5.81%

と5%を超える配当利回りがあります。

イギリス側での源泉徴収課税がないのであれば、課税されるのは日本の所得税だけですので、配当狙いで投資してもいいのではないでしょうか。

配当金狙いのADR投資としては、税制面で有利なためイギリスADRがポートフォリオの中心になるでしょう。

まとめ

今回は非居住者に対する配当金の源泉徴収について、オーストラリアとイギリスの税制をみてみました。

オーストラリアは、

  • 株の配当源泉徴収課税:10%
  • リートの配当源泉徴収課税:15%

イギリスは株の配当源泉徴収課税はありませんでした、

オーストラリアに配当金狙いで投資するのであれば10%の源泉徴収を外国税額控除で取り戻す手続きが必要ですが、イギリスADRに投資しておけばそういった手続きは不要です。

この手続の面倒くささを考慮すると、あえて配当狙いでオーストラリアADRに投資するメリットはないので、単純にイギリスADRに投資するのがおすすめですよ。

あなたも税制面も考慮して高いパフォーマンスの投資収益を実現しましょう。

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