あなたはAfterpayという会社をご存知でしょうか?
AfterpayはオーストラリアのFintech企業で、近年爆発的な成長を遂げている会社です。
株価もロケットのように上がっていて、2019年には株価が3倍近くに上がりました。
Afterpayという会社はとてもユニークでかつ誠実なビジネスモデルです。
今回は全くAfterpayなんて会社のことを聞いたこともない人向けに会社の概要と魅力を紹介します。
Afterpayは支払いを消費者向けに支払いを4つに分割払いに変えてくれるサービス
Afterpayは、オンライン・オフラインでの小売店での支払いの際に、
- 小売店には一括払い
- 消費者には支払いを4つの分割払いに変える
サービスです。
ここで非常にユニークな点は、消費者は支払いを分割することで手数料や金利が一切かからないということです。
クレジットカードや信販会社の場合分割払いにすると消費者が手数料や金利を払いますが、Afterpayを使う場合消費者は手数料は金利を払う必要がありません。
購入価格を二週間を支払期限とする最大4つに分割して払うだけです。
消費者が支払期限に遅れた場合は遅延金が週8AUD発生しますが、遅延金の総額は最大でも購入金額の25%の上限を超えることはありません。
クレジットカードの金利のように延々と遅延金や金利が発生してAfterpayが大儲けするということはありません。
高コストのオーストラリアオペレーションを考えると消費者が支払い遅延した際の管理費用を最低限カバーできるかどうか程度でしょうから、Afterpayが遅延金で儲けるということはできないと思われます。
Afterpayは消費者が手数料無料で分割払いにできるため得しかなく、小売店にとっても消費者が支払いに躊躇せずに買ってくれるケースが多くなり販売促進につながるサービスです。
Afterpayの収益源は小売からの手数料
Afterpayが分割払いにする時に消費者から手数料や金利を取らないとすると、「じゃあ、どこで儲けているのか?」という疑問がわきます。
Afterpayは小売店から販売額の4%の手数料をもらっており、これが収益源です。
Afterpayの2018年度の決算を見ると、売上高 (Proforma) AUD 272Mのうち
- Afterpay Income AUD 205.5M
- Other income AUD 46.1M
- Pay Now AUD 20.9M
となっています。
Afterpay Incomeというのが小売店からもらう手数料、Other Incomeが支払い遅延金です。
つまり、Afterpayは売上の75.5%は小売店からもらう手数料であり、クレジットカード会社のように消費者からの高い金利や手数料で儲けているわけではないことがわかります。
Afterpayは急成長を遂げていて可能性がある
Afterpayは急成長を遂げています。
Afterpayが2020年2月に発表した半年の取引高はAUD 4.8Bと前年同期比109%増加しています(二倍以上)。
AfterpayはANZ、米国、イギリスの参加国でビジネスを展開していますが、米国でのアクティブ顧客数が急拡大して半年で360万人に達していることには注目です。
ANZの顧客数が310万人ですから、Afterpayの最大市場は既に米国です。
Afterpayが世界最大の消費市場である米国での有力な支払手段の一つとなれば、ビジネスが大きく拡大することが期待できますよね!!
オーストラリアのFintechというと若干響きが弱いですが、米国市場を攻略しつつあるFintechというと大きな可能性が感じられます。
まとめ
今回はオーストラリアの新進気鋭のFintechであるAfterpayとはどんな会社なのかについて紹介しました。
- Afterpayは消費者に対して手数料や金利無料で分割払いにしてくれるサービス
- Afterpayの収益源は小売店から手数料
- Afterpayのビジネスは爆発的な成長を遂げている最中で、特に米国での成長力に期待ができる
というものです。
これだけの成長企業ですから時価総額も大きいのですがまだAUD 28B(約2兆2000億円)です。
オーストラリアでこれからオンラインショッピングが拡大していくことおよび米国での成長力を考えると、こんなものではないでしょう。
Afterpayが2021年以降に大きく飛躍してくれることを期待しましょう。