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製造加工技術の一種であるファイバーレーザーの世界トップ企業IPG Photonics の株価がこの一年で半分になっています。

これは米中関係の悪化、中国の製造業の市況悪化などにより売上成長がマイナスに転じたためでしょう。日本でもファナック、THK等の株価が急落してますよね。

しかし、中長期的な視点で見るとIPG Photonicsは非常に将来性がありそうな会社です。

今回はIPG Photonicsへの投資機会があるかどうかを検討します。

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ファイバーレーザーとは何か?

まずは、ファイバーレーザーとは何かを理解しましょう。フジクラのFiber Laserというサイトが理解しやすいのでそこから抜粋しました。ファイバーレーザーとは

  • 加工技術の一種。切断、溶接、樹脂溶着、表面処理がレーザーを使ってできます。
  • ファイバーレーザーという名前からもわかるように、光ファイバーを媒体として高出力なレーザー光を使う。
  • エネルギーの使用効率がほかのレーザー技術に比べて飛躍的に高い

といった特徴があります。

ファイバーレーザーの用途としては、自動車、電子部品、半導体製造、建築、航空宇宙(ロケットの製造など)、医療と多様です。何かモノを精密に加工するところで使われています。IPG Photonicsの資料では医療面での活用に大きく期待がされていました。

IPG Photonicsとは?

IPG Photonicsの概要は以下です。

1991年にロシアの物理学者バレンチン・ガポンチェフ博士(Valentin Gapontsev)によって設立されたファイバーレーザーメーカーです。

本拠地は、米国マサチューセッツ州オックスフォード

海外拠点は、ドイツ、ロシア、イタリア、英国、フランス、スペイン、ポーランド、チェコ、トルコ、中国、インド、日本、韓国、シンガポール(支店)、タイ(支店)、台湾(支店)、ブラジルと18ヵ国にあるグローバル企業です。

NASDAQに2006年に上場しており、ティッカーシンボルはIPGP。

時価総額は現時点でUSD 6B前後(約6,600億円)

英語ですが以下のYoutubeで詳細な照会がされています。ロシアの技術者が基礎技術を発明し、ドイツを経て、米国で創業した会社です。スパイを疑われたり、サプライヤーから供給停止など幾度も経営危機を乗り越えて、ファイバーレーザーの世界トップ企業になった、まさにアメリカンドリームな会社です。

www.youtube.com

売上の地域的な比重は、

  • 中国:44%
  • アメリカ:12%
  • ドイツ:8%
  • ドイツ以外のヨーロッパ:21%
  • 中国以外のアジア:15%

と中国の比重が非常に大きいのが特徴です。米中関係悪化や中国経済が停滞すると大きく影響を受けてしまいます。これがあり、昨今の株価下落につながっているのでしょう。

IPG Photonicsの業績

IPG Photonicsが2018年10月30日に発表した2018年度第3四半期決算によると

売上高 USD 345M (YoY 90%)

粗利益 USD 195M (YoY 87%)

営業利益 USD 124M (YoY 76%)

税引き前利益 USD 128M (YoY 80%)

とすべての数字が大きく落ち込んでしまいました。

しかしながら、私は以下の点に着目したいです。

  • 粗利益率は下落したとはいえ54.7%と非常に高い
  • 売上高対税引き前利益率 37%と利益率は非常に高い
  • 現金と短期的な投資を合わせるとUSD 1.1Bの現金同等物を持ち、長期借入(Long term debt)はUSD 42Mしかなく実質無借金に近い
  • 営業キャッシュフローはUSD 280Mの黒字

米中関係悪化や市況の変化で売り上げが短期的には落ち込んでいますが、驚異的な利益率を出せ、財務面でも盤石の会社です。

なお、ファイバーレーザーは

  • 既存の加工技術からレーザーへの切り替え
  • 既存レーザー技術(CO2レーザー等)からファイバーレーザーへの切り替え

と両面の製造技術トレンドからも、将来的にはどちらにしても伸びていく分野だと紹介されています。

まとめ

IPG Photonicsは中国の売り上げが多い(2017年で全体の44%)ことで、米中関係の悪化と中国製造業の景気悪化を受けて2018年は売上高が落ち込んでしまいました。株式市場の大混乱もあり株価は2018年初めの半分以下です。

ただし、高い利益率、強固な財務、潤沢なキャッシュがあるので世界経済、中国経済の停滞がある程度続いたとしても耐えきるだけの体力はあるでしょう。

製造技術のトレンドとしてもファイバーレーザーへのシフトが進んでいるようですので、IPG Photonicsの市場機会自体は広がっています。

米中関係の悪化や世界経済の情勢がさらに悪化することも考えられるため、今すぐに投資をし始めるかは別ですが、継続的に注視し株価が一段と下がったタイミングでは投資することも考えたいと思います。

みなさんもIPG Photonicsを長期的な投資対象として検討してみてはいかがでしょうか。

なお、他の米国株についても検討していますので、ご参考までに。

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