金価格が上昇しています。
政治や経済が混乱し始めると金価格は上昇しますね。
リスクヘッジために資産の一部を金に投資したいと思った場合、どうやって金に投資するのが最も低コストだと思いますか?
今回は少額から投資する前提で金への投資コストを比較し、低コストで金に少額投資できる方法を検討します。
目次
低コストな金投資の方法はどんなものがあるか
低コストな金投資の方法としては、
- GMOクリック証券・金CFD取引
- 金ETF取引
- COMEX金先物
- SBI証券・金取引
の4つがあります。
GMOクリック証券・金CFD取引とは何か
金CFDは商品CFDの一種です。
ネット証券と相対で取引する商品で、レバレッジを掛けて取引をすることができます。
GMOクリック証券の金CFDの場合、
- 通貨USD
- レバレッジ最大20倍
- 金1トロイオンス当たりのドル価格表示で、ロコ・ロンドン・スポット市場での取引価格を参照資産とするCFD
です。
価格はLBMAにより公表されていて、Precious Metals Pricesから誰でも参照することができます。
金CFDでの取引は、ロコ・ロンドン・スポット市場での価格が金1トロイオンスあたりUSD 1,500で為替がUSD 1=106円とした場合、USD 1,500円x106=159,000円が1取引あたりの金額になります。
レバレッジは最大20倍まで掛けられますので、159,000÷20=7,950円が最低の証拠金となります。
ただ、7,950円で取引する場合、レバレッジ20倍かかってますのでちょっと思惑が外れただけでも証拠金すべてを失うリスクはあります。
レバレッジは3倍程度に抑えたほうが良いんじゃないかと思っているので、現状では53,000円くらいは証拠金で入れておくべきでしょうね。
なお、買いの場合CFDの金利コストで一日9円くらい取られるので長期保有する場合は注意が必要です。
1年365日で計算すると年間の金利コストが3,285円ですから、159,000円に対して2%の金利コストがかかる計算です。
金ETF取引
金はETF(上場投資信託)でも取引ができます。
代表的な銘柄は、
があります。
両銘柄とも東証に上場していますので、ネット証券で誰でも取引ができます。
SPDRゴールドシェアは価格が15,050円で1単位から投資できるので、15,050円単位で投資できます。
野村の金価格連動型上場投資信託は価格が4,045円で10単位からの投資になるので、40,450円単位で投資できます。
ETFですので信託報酬がかかり、SPDRゴールドシェアで年0.40%、金価格連動型上場投資信託で年0.50%のコストがかかります。
仮にSPDRゴールドシェアを10単位買うと150,500円投資することになり、年間コストは602円です。
COMEX金先物取引
楽天証券ではCOMEXの金先物取引ができます。
サイズは100、取引通貨は米ドルです。
金先物の価格が1トロイオンス当たりUSD 1,500とした場合、取引ロットはUSD 1,500x100=USD 150,000です。
ドル円が106とした場合、1,590万円です。
この想定で必要証拠金はUSD 4,950=524,700円も必要です。
52万円の証拠金を入れて金先物を取引すると、レバレッジ30倍となり極めてリスクの高い取引となります。
今回は少額で金投資をする方法を探っているので、金先物取引は完全に対象外です。
リスクが高すぎるので個人が普通にやる代物ではないでしょう。
SBI証券・金取引
SBI証券では金のスポット取引ができます。
取引は、
- 金額指定
- グラム指定
の両方ができます。
年会費や保管料はかかりません。
取引の手数料は、買いが取引額の2%で売りは無料です。
150,000円分の金現物を買った場合、購入手数料は3,000円です。
金投資の方法のコスト比較をしてみる
ここまででCOMEX金先物取引以外は比較的少額で金投資が可能です。
それぞれの金投資の方法のコストを比較してみましょう。
比較しやすいように、15万円前後の分の金を買い1年間保有する想定でのコスト比較です。
GMOクリック証券・金CFDのコスト
GMOクリック証券で1トロイオンス相当の金CFDを買う場合、159,000円の証拠金を入れて1単位買えばレバレッジ1倍で金投資ができます。
GMOクリック証券のCFD取引は手数料無料なので、取引手数料はゼロです。
CFDのファイナンシングコストとして金利調整額が1日当たり9円掛かるとすると、年間で3,285円の金利コストがかかります。
年率に直すと2%の金利コストが掛かるということです。
金ETF取引のコスト
SBI証券でSPDRゴールドシェアに投資する場合のコストはいくらでしょうか。
金額にして150,500円投資し、購入手数料は105円です(20万円以下の国内株取引の手数料)。
これに加えて、ETFの信託報酬が0.4%=602円かかるため、合計で707円のコストがかかります。
SBI証券・金スポット取引のコスト
SBI証券・金スポット取引の購入手数料は2%ですから、15万円分の金現物を買う場合の購入手数料は3,000円です。
それ以外には年会費や保管料はかかりませんが、現物転換する場合は別途ニューヨークから東京の輸送費など諸々がかかります。
金投資はリスクヘッジのためにやるものですから、必ずしも金現物を保つ必要はありません。
投資効率だけを考えるなら、金の現物転換はやる必要はありませんね。
金取引の税金コスト
一点注意してもらいたいのは、金取引の方法によって税率が異なるということです。
GMOクリック証券の金CFDで得た利益は雑所得として申告分離課税の対象で、税率は20.315%。
CFDでの損益は株式での損益との通算はできません。
金ETFは株式同様に申告分離課税の対象で、税率は20.315%です。
金ETFといっても何も特別なことはなく、単なるETFですので、他の株式との損益通算もできます。
CFDと金ETFは申告分離課税で税率が20.315%である点で共通しています。
注意が必要なのは金スポット取引です。
これは譲渡所得となり、給料など他の所得と合わせて総合課税の対象になります。
詳しくは、国税庁のページを参照下さい。
総合課税になるということで、サラリーマンで給与が高い方は特に不利になります。
ビットコイン同様に金スポット取引は税制面で不利なので、全くおすすめできません。
少額取引できる金投資のおすすめの方法は金ETF取引
GMOクリック証券の金CFD、金ETF取引、SBI証券の金スポット取引、COMEX金先物取引を検討した結果、当ブログが考える少額取引できる金投資の方法は金ETF取引です。
金CFD取引も悪くはないのですが、当ブログ的にはCFDはレバレッジを掛ける場合だけおすすめです。
少額で金投資をしたいという投資家でレバレッジ20倍を掛けたいという人は少ないでしょうから、基本的には金ETFで取引したほうが良いですね。
金ETFがおすすめな理由は、以下の理由です。
- 長期間持った場合のコストが金CFDよりも安い。金CFDは2%の金利コストに対して、ETFは信託報酬0.4%。
- SPDRゴールドシェアを使えば、15,000円程度の少額から投資できる。金CFDではレバレッジ10倍のリスクを取れば15,000円の証拠金で取引できますが、リスクとりすぎじゃないかなと思います。
- 金ETFであれば、他の株式の損益と通算ができるので、税金面でも有利。
一方で金スポット取引は、購入手数料が高すぎますし税金面でも総合課税で不利なので全くおすすめできません。
誰でも金ETF投資ができる環境がある中で、金現物取引をするメリットはありません。
まとめ
少額で金投資ができる方法について検討しました。
短期間保有する前提でレバレッジを掛けたいならGMOクリック証券の金CFDがおすすめですが、それ以外の多くの投資家には金ETF取引のほうがおすすめです。
これから世界は混乱の時代を迎えます。
株も為替も大きく乱高下するでしょう。
そのときに金はあなたの資産の支えになりますので、資産の一部で金ETFに振り分けみてはどうでしょうか。