サクソバンク証券のメリット・デメリットはご存知でしょうか?
最近海外株やFX、CFD取引を検討している投資家の中にはサクソバンク証券の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
私もサクソバンク証券については興味があります。
今回は米国証券口座、シンガポール証券口座、日本の証券口座と各国様々な証券口座を持っている私が、サクソバンク証券のメリット・デメリットについて考えてみます。
なお、今回は海外株取引についての検討です。
- 対象:海外株取引用にサクソバンク証券の口座開設を検討している投資家
- 得られること:サクソバンク証券のメリット・デメリットが分かります。
目次
サクソバンク証券の海外株取引のサービス内容
サクソバンク証券の海外株取扱銘柄は非常に豊富
サクソバンク証券で提供している海外株取引は
- 米国株:約6,000銘柄
- 中国株(上海、深セン株)
- 香港株
- イギリス株(ロンドン証券取引所)
- フランス株(ユーロネクスト・パリ)
- ドイツ株(フランクフルト証券取引所)
です。
イギリス、フランス、ドイツ株を扱っているのは非常に珍しいです。
また、上海株、深セン株に投資できるのも特徴です。
香港株の中には香港リートが含まれています。
特に香港リートの銘柄制限(スプリングリートのみ等)もかかっていないので、香港リート全てに投資できます。
サクソバンク証券の米国株取引の手数料は安い
サクソバンク証券は海外株取引の手数料も安いです。
米国株の手数料は、取引額の0.20%、最低手数料5米ドル、上限手数料15米ドルです。
マネックス証券の手数料が、取引額の0.45%、最低手数料5米ドル、上限手数料20米ドルで、これは楽天証券、SBI証券と同じです。
サクソバンク証券の米国株手数料が明らかに安いのがわかります。
なお、これに為替手数料が片道0.20%かかります。
これはスプレッドが20銭ということと同じですが、これもマネックス、楽天、SBIのスプレッド25銭より安いです。
サクソバンク証券の香港株取引手数料も安いが、高額取引は避けるべき
サクソバンク証券の香港株の取引手数料は、取引額の0.20%、最低手数料40香港ドルです。
マネックス証券の香港株手数料は大手ネット証券では最安値ですが、それでも取引額の0.25%、最低手数料45香港ドルですので、サクソバンク証券のほうが安いです。
ただ、マネックス証券の場合は上限手数料が450香港ドルに設定されていますが、サクソバンク証券には上限手数料がありません。
よって、日本円で300万円を超えるような取引を繰り返す場合は、マネックス証券のほうが手数料が安いです。
配当金の受け取りには手数料がかからないが、税金には非常に注意が必要
香港Boom証券の場合は海外株の配当金を受取る際に手数料がかかるのですが、サクソバンク証券はホームページを見る限り配当金受け取りに手数料はかかりません。
そのまま受け取れます。
ただし、租税条約による軽減税率などは受けられません。
現在、当社では、在留資格または法的地位に応じて利用できる可能性がある優遇源泉徴収税率に対応することも、そうした税率を提供することもできません。
このためサクソバンク証券での海外株取引は税金面で明確に自分が理解しているものだけを取引すべきだと思います。
変な税金がかかってくるとパフォーマンスが落ちますから。
もちろん、米国株の場合はW8BENを出すことで軽減税率を受けることはできます。
現在私が配当課税について明確に理解しているのは、
- 香港株:非課税
- 中国本土株:10%源泉徴収
- 米国株:W8BENを提出すれば源泉徴収10%に軽減
です。
現時点では私がサクソバンク証券で取引をするとしたら、税金を明確に理解している上記3つです。
サクソバンク証券の海外株取引のデメリット
サクソバンク証券の海外株取引のデメリットは、特定口座に対応していないことです。
マネックス証券、楽天証券、SBI証券は当然海外株も特定口座に対応しています。
現時点では、特定口座でしか取引をしたくないという人はサクソバンク証券は選ぶべきではありません。
私のように海外口座で株取引をしていてどうせ確定申告をするから特定口座でなくても良いやという人だけがサクソバンク証券を選ぶべきでしょう。
税金の計算はめんどうくさいですものね。
ただ、サクソバンク証券で保有する銘柄数を少なくし(最大5銘柄程度)、頻繁に売買しないのであれば、確定申告をそんなに恐れることはありませんよ。
5銘柄くらいを保有し、年に数回売買と配当金の受け取りがあるだけなら、確定申告の準備から提出まで2時間もかからず終わると思います。
サクソバンク証券の海外株取引のメリット
サクソバンク証券は国内口座
米国株をFirstrade証券を使って取引している私からすると、サクソバンク証券の大きなメリットは日本で登録された証券会社ということです。
海外口座でないっていうのは非常に大きいメリットです。
これにより、仮に私が死んだ場合遺産相続は日本の手続きで行うことができます。
Firstrade証券の場合米国の手続きで遺産相続をせざるを得ませんので、おそらく非常に大変です。
Firstrade証券は良いのですが、年取ってくるといつ突然死するかもしれませんので、死んだときのリスクを抑えるため私はFirstrade証券の口座は閉鎖してサクソバンク証券に資産を移すつもりです。
サクソバンク証券は上海株・深セン株取引ができる
サクソバンク証券で上海株取引ができるのはとてもおもしろいと思います。
今のところ私が投資してみたいのは人工知能の技術で世界をリードするアイフライテック(iFlytek)だけです。
ただ、人工知能等先端技術で中国の技術力はすごいですから、上海株・深セン株に投資できることで、最先端技術企業への投資機会が大きく広がります。
サクソバンク証券は香港リート取引ができる
サクソバンク証券では香港リートの取引に制限がかかっていませんので、
- Link Reit
- Champion Reit
- Hui Xian Reit
- Fortune Reit
といった香港リートに容易に投資ができます。
リートとしてはシンガポールリートのほうが香港リートより銘柄の種類が豊富でいいのですが、年齢が上がってくるにつれ海外に巨大な資産を持ち続けるのはリスクが高くなります。
私の想定では55歳くらいからシンガポール口座の閉鎖準備にかかる予定です。
シンガポール口座を閉鎖した後に、海外リート投資を継続する際にサクソバンク証券の香港リートは非常に有力な選択肢になります。
香港では配当金に課税がありませんので変な源泉調整はありませんし、日本で確定申告するだけでよいです。
年齢が50歳以上で海外リートに投資したい人には、サクソバンク証券での香港リート投資は非常に有効な選択肢です。
海外口座は遺産相続上のリスクが大きいです。
まとめ
サクソバンク証券のメリット・デメリットについて検討してきました。
サクソバンク証券のデメリットは特定口座に対応していないことですが、保有銘柄が少なく売買を頻繁にしないのであればそこまで負担になることではありません。
メリットは以下の3つです。
- 金融庁に登録された国内口座なので、万が一のときの遺産相続手続きを日本のルールでできる。
- 上海株・深セン株に投資できるので、中国の最先端技術企業(人工知能のアイフライテック等)に投資できる。
- 香港リートに投資ができるので、安定配当を求めつつも地理的に日本のJリートに集中投資したくない投資家にとって、非常に重要な投資の選択肢ができる。
私のように海外口座で運用している人にとっては、特定口座のデメリットも上回る大きなメリットがあると感じます。
サクソバンク証券はインタラクティブ・ブローカーズ証券のように毎月の口座手数料がかかるわけではなく、口座開設・維持は無料ですので試しに口座開設をしてみてはいかがでしょうか。