あなたは投資信託を購入するときにどの金融機関を使っていますか?
ゆうちょ銀行は日本で最大の利用者数の銀行で使っている人も多いですから
という投資家も多いと思います。
ゆうちょ銀行は国営銀行ですから安心ですしね。
でも、投資信託を買うのであればゆうちょ銀行は全くおすすめできません。
SBI証券のようなネット証券で購入したほうがずっと良いです。
今回は投資歴20年の投資家である私が、「なぜゆうちょ銀行での投資信託の購入をおすすめしないのか」を説明します。
- 対象:ゆうちょ銀行で投資信託の購入を検討している投資家
- 得られること:投資家の観点で、ゆうちょ銀行がおすすめできない理由がわかります。
目次
ゆうちょ銀行は消費者に有利な超低コスト投資信託を提供していない
現在の投資信託業界は信託報酬の値下げ競争をしています。
信託報酬が下がることは、消費者にとっては直接的に運用パフォーマンスの向上につながるので大きなメリットがあります。
この結果、今では消費者にとって有利な超低コストの投資信託が多くあります。
例えば、
- ニッセイアセットマネジメントのインデックスファンド
- 三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズ
- アセットマネジメントOneのたわらノーロードシリーズ
- 大和証券投資信託のiFreeシリーズ
- SBIアセットマネジメントのインデックスファンド
- 楽天投信投資顧問の楽天バンガードシリーズ
等が代表的な超低コスト投資信託です。
今からゆうちょ銀行を使って投資しようとする投資家はどういう層か想像してみると、あまり投資に慣れていない初心者層ではないでしょうか。
普段からガンガン株の売買をやっている投資家であれば、SBI証券などのネット証券で投資信託も買ってしまいますからね。
投資の初心者が中心のゆうちょ銀行の顧客だからこそ、超低コストのインデックスファンドを提供すべきです。
では、ゆうちょ銀行で超低コストのインデックスファンドを取り扱っているかというとそうではありません。
ゆうちょ銀行の投資信託販売金額上位は、
- 東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型):購入手数料1.62%、信託報酬年率0.9072%
- 東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型):購入手数料1.62%、信託報酬年率0.9072%
- スマート・ファイブ(毎月決算型):購入手数料2.16%、信託報酬年率1.08%
といった高コストの投資信託です。
これらの投資信託が悪いといっているわけではないのですが、一般にはコストが高いため投資初心者におすすめするような投資信託ではありません。
これと超低コスト投信であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比べてみましょう。
以下「東京海上」は東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)、eMAXIS SlimはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を指します。
両者を比較すると
- 購入手数料:東京海上 1.65%、eMAXIS Slim 0%
- 信託報酬:東京海上年率 0.924%、eMAXIS Slim 0.0968%
- 資産総額:東京海上 6,966億円、eMAXIS Slim 365億円
となり、資産総額では東京海上が大きく上回っていますが、運用コストではeMAXIS Slimが圧倒的に低いです。
eMAXIS Slimであれば購入手数料はかかりませんし、信託報酬は東京海上より89.5%安いからです。
投資初心者に親切な銀行・証券会社であれば、投資家の中長期的な利益を考えてできるだけ運用コストが低い投資信託をおすすめするはずです。
しかし、ゆうちょ銀行で東京海上の投資信託が一番売れているということは、ゆうちょ銀行は投資初心者に高コストの投資信託をおすすめしている可能性があります。
熟練投資家が高コスト投信と低コスト投信を比較検討し、高コストであることをわかった上であえて高コスト投信を購入するならわかります。
ゆうちょ銀行は先にあげたような超低コスト投信を扱っていませんので、ゆうちょ銀行が投資初心者に高コスト投信と低コスト投信の選択肢を提示したとは思えません。
私の観点では、ゆうちょ銀行は投資家にとって有利な投資信託を提供していませんし勧めてもいません。
ゆうちょ銀行の投資信託ホームページでは「ノーロード」で信託報酬が低い商品が探せない
SBI証券で投資信託を検索すると「ノーロード」というキーワードで投資信託を検索ができます。
ノーロードとは購入手数料がかからない投資信託のことです。
そして、ノーロード投信の中で信託報酬が最も安い投資信託を探すのも簡単です。
「手数料等」をクリックして、信託報酬の低い順で並び替えればいいだけです。
SBI証券だけでなく楽天証券・マネックス証券など他の大手ネット証券でも、ノーロードで信託報酬が安い投資信託を容易に探すことができます。
ノーロードで信託報酬が安いということは投資家にとって運用コストが低いことを意味しますので、大手ネット証券では投資家にとって有利な商品が探しやすいといえます。
一方、ゆうちょ銀行のホームページではノーロードで投資信託を検索ができませんし、信託報酬の安い順に並び替えることもできません。
これを見て、私はゆうちょ銀行が消費者が使いやすいようにホームページを作っていないと感じました。
もちろん、ゆうちょ銀行ではノーロードで信託報酬が安い投資信託をそもそも扱っていないのですから、検索できないのは当然かもしれませんが。
ゆうちょ銀行ではノーロードで信託報酬が安い投資信託を扱っていない代わりに「コア・サテライト運用」なるものを推奨していて、コア部分にはバランスファンドを推奨しています。
バランスファンドは中長期では超低コストの米国株式インデックスファンドに運用パフォーマンスで勝てる可能性がとても低いです。
債券やリートよりも米国株式のほうが中長期的なリターンは高いため、米国株式のインデックスファンドのほうがバランスファンドのリターンを上回ることが強く期待できます。
「コア・サテライト運用」としてバランスファンドを提案し、超低コストのインデックスファンドを提案していない時点で、ゆうちょ銀行は消費者のために投資信託を選んでいないと感じます。
投資信託を買うなら超低コストの米国株式インデックスファンドを取り扱っている証券会社がよい
中長期での投資を考えれば、投資信託を選ぶ際には超低コストの米国株式インデックスファンドを選ぶのがおすすめです。
具体的に言うと、
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500
- iFreeS&P500インデックス
- たわらノーロード NYダウ
- といった投資信託です。
取り扱っているのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券といった大手ネット証券、あるいはeMAXIS Slimであれば三菱UFJ国際投信の直販でも購入が可能です。
投資信託の場合、運用コストが高いことと運用パフォーマンスは全く関係がありませんので、運用コストは低ければ低いほうが望ましいです。
ゆうちょ銀行では超低コストの米国株式インデックスファンドを扱っていないのですから、ゆうちょ銀行で投資信託を購入することはおすすめできません。
まとめ
ゆうちょ銀行での投資信託購入をおすすめしない理由について説明しました。
通常口座数が1億口座を超える邦銀最大の銀行であるゆうちょ銀行ですが、消費者にとても有利な超低コストの投資信託を提供していません。
ゆうちょ銀行の販売上位の投資信託を見る限りでは、高コストの投資信託を投資初心者に売っているのではないかという疑念すらあります。
ためしにゆうちょ銀行のファンドランキングとSBI証券の販売金額人気ランキングを月間で比べてみてください。
SBI証券のほうがゆうちょ銀行より投資経験が豊富な顧客が多いと考えられますが、販売金額上位は超低コストのインデックスファンドが多いですよね。
対象的にゆうちょ銀行のファンドランキングには、超低コストのインデックスファンドはありません。
普通に消費者目線で投資信託を提供していれば、自然と販売金額上位は超低コストのインデックスファンドが大半を占めます。
楽天証券でも米国株式インデックスファンドである楽天・全米株式インデックス・ファンドが一番売れています。
現在は投資家にとってとても良い時代ですので、超低コストの米国株式インデックスファンドの選択肢が複数あります。
中長期的な投資で成功したいのであれば超低コスト投信を選ぶべきであり、ノーロードで検索できず信託報酬の準で並び替えもできないようなホームページを作っているゆうちょ銀行で投資信託を購入するメリットはありません。
最終的な選択はあなた自身でやるものですが、投資信託を選ぶにあたっては運用コストが低い投信を選ぶことが大原則であることを十分に理解した上で投資してみましょう。
私は個人的には絶対にゆうちょ銀行で投資信託を買おうとは思いませんし、中長期的にゆうちょ銀行で投資資産が増えるイメージも持てません。
投資信託への投資を今から始めるのであれば、ぜひ私と同じくSBI証券にて信託報酬が安い米国株式インデックスファンドに超長期で投資してみてください。