かつて東京電力といえば安定した配当株でした。

それが東日本大震災とその後の福島原発事故により状況が激変し、2011年からは無配に転落しました。

株価はかつて2,000円~2,500円台だったものがいまでは少し上がったとはいえ662円です(2019年2月13日)。

福島原発事故から8年も経ったし、そろそろ復配するんじゃない?

上場企業で利益が出ているのに、ずっと株主還元しないなんてことは異常事態だよね。
復配できるのか調べてみよう!

ということで、今回は東京電力ホールディングス(東電)の復配の可能性について検討してみました。結論から先に言うと、東京電力は十分復配は可能でした。

本記事の対象と読んで得られること
    • 対象:東京電力の復配開始を投資チャンスだと思っているけど、復配するのかどうかわからない投資家
    • 得られること:東京電力が復配可能である理由がわかります。
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東京電力および類似の電力会社の配当政策

東京電力にとっても株主還元は経営の最重要課題だが、配当方針は取り下げ中

2018年10月30日時点での東京電力ホームページでのコメントでは、配当について以下のように言及し、現在は配当の基本方針は取り下げていて配当は行わないとしています。

ただ、東京電力も上場企業であることから株主に対する利益配分は経営の最重要課題と認識しているとし、復配を否定はしていません。

当社では、株主のみなさまに対する利益配分を経営の最重要課題の一つと認識しておりますが、東北地方太平洋沖地震以降の厳しい経営環境等に鑑み、配当の基本方針を取り下げております。新しい基本方針は、今後の状況に応じ改めて検討いたします。

そのそも永久に配当等を通じて株主還元を行わない会社であれば上場しているべきではないですよね。

2011年の事故から今に至るまで東京電力が上場を維持しているということは、 いつかは株主還元を再開するということも意味しています(そうでなければ非上場にしているでしょう)。

今は東京電力の配当政策は決定していないので、まずは類似企業である関電と中電の配当政策をみてみましょう。

関西電力の配当性向は33%

関電は配当性向の数字を公表しておらず安定配当をするとしかいっていないので、こちらでおおよその配当性向を推測してみます。

関西電力の配当性向は過去

2018年3月期決算:配当性向 20.6%、純資産配当率(連結)2.3%

2017年3月期決算:配当性向 15.9%、純資産配当率(連結)1.8%

でした。

一株当たりの配当金額自体も徐々に挙げてきていて、2019年3月期の配当予想は一株当たり50円です。

元々一株当たり60円の配当を支払っていたので、おそらく関電は過去の一株配当のレベルまで戻すことを内部で目標にしているのではないでしょうか。

2019年3月期の一株配当50円は、配当性向で換算すると33%です。

なお、計算式は、一株配当50円x発行済み株数 938百万 ÷ 当期純利益予想140,000百万円

関電の配当性向は純利益の33%でした。

中部電力の配当性向は40%

中部電力も関西電力同様に明確な配当性向を数字で示していませんので計算してみましょう。

2019年3月期の連結当期純利益予想が750憶円のところ配当金予想が年40円です。

発行済株式数は758百万ですから、配当性向は40円(配当金)x758百万(株式数)÷75,000百万円(当期純利益予想)で計算でき、40%です。

2018年3月期はどうだったかというと、一株配当35円に対し、当期純利益が74,372百万円で配当性向は35%でした。

関西電力と中部電力の二つの配当性向を検討すると、両社とも上昇傾向にあり現在は35%-40%程度であるといえます。

ただ、両社とも無配の時から比較すると配当性向を徐々に上げてきており、東京電力が復配する場合同じようなアプローチをとるだろうと想定できます

また、電力会社は横並び体質でしょうから、最終的には東京電力も関西電力や中部電力と同等の30%-40%の配当性向を取ってくると予想できます。

東京電力は復配可能か

東京電力は利益体質であり、自己資本も他の電力会社と同等レベル

東京電力の経営状態はいまどのようなものでしょうか?配当が可能な状況でしょうか?

経営実績を見てみましょう。

東京電力の2019年3月期の業績予想によると

  • 売上高:63,280憶円(前年同期比 +8.2%)
  • 当期純利益:2,270憶円 (前年同期比 -28.6%)

です。(出典:東京電力ホールディングス「平成31年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」2019年1月30日発表)

東京電力は利益ちゃんと出てますね!!

ちなみに、当期純利益は関西電力より870憶円多い見込みです。関西電力が配当出してて、それより経営実績の良い東京電力が復配しないのはおかしいのではないでしょうか。

財務基盤がすごく傷んでいるのかと思いきや、東京電力の自己資本比率は22.1%。関西電力の20.7%と同等か少し良いくらいの状態です。

経営状態から見て東京電力はいつでも復配可能

東京電力の経営実績を類似の関西電力や中部電力と比べると、東京電力は復配が可能であると言えます。なぜなら

  • 2019年3月期も純利益を計上でき、2014年3月期から5年連続黒字である
  • 自己資本比率も関西電力と同等レベルである

からです。東京電力の現在の利益水準からすると復配をしないほうがおかしいくらいの状態でしょう。

唯一のボトルネックは、東京電力の株主構成です。

現在東京電力株の54%は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が保有しています。ここの判断による部分が大きいところは復配の時期を読むにあたって不確定要素です。

ただ、もし東京電力が復配をすれば配当支払い金額の54%は機構が受け取るわけで、東京電力が復配をすることは決して機構にとっても悪い話ではないと思います。

東京電力が復配可能な理由
    • 東京電力は継続的に利益を出せる経営体質である
    • 配当を出している関西電力と同等の自己資本を持っており、配当を停止せざるを得ないほど自己資本が小さいわけではない

まとめ

東京電力を上場企業として維持している以上、いつかは株主還元をせざるを得ません。

復配しないのは経営状態が悪いからかなとも思ったのですが、利益や自己資本比率などの経営数字を見る限りは東京電力はいつでも復配が可能であると私は思います。

仮に2019年3月期の当期純利益を維持できるとして、配当性向10%で復配したとすると配当金支払い総額 227憶円、一株配当6.4円となり、現在の株価662円に対して配当利回り1%です。

下記の図のように配当性向20%で配当利回り2%、配当性向30%で配当利回り3%となるので、現実的なシナリオとしては配当性向15%くらいで配当利回り1.5%くらいから復配を再開するのではないかと予想します。

Tepco Dividend Simulation

復配のタイミングは全く分かりませんが、経営の数字上は来年度にでも復配は可能です。

復配はいずれにせよどこかでするわけですから、復配にかけていまから東京電力ホールディングス株を仕込んでおくという戦略もあるかもしれませんね。

東京電力の復配については何も決定したことはないので、憶測でしかありませんが、
今回は東京電力の復配の可能性は大ありと結論付けたいと思います。

東京電力の配当再開の時期については以下の記事で議論していますので、こちらもどうぞ。

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