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東日本在住の人であればJR東日本を日常的に使っている人も多いと思います。鉄道を利用していない人でも、買い物の際にSuicaを利用していればりっぱなJR東日本ユーザーです。

日常的な接点が多いことと安定しているってイメージがあるので、株式投資先の候補としても考えることもあるかと思います。

でも、鉄道会社って安定しているけど成長しない、だから株価はあまり上がらないんじゃないか?と思っていませんか。

都市部の鉄道会社の事業内容は大きく変貌を遂げているのですが、JR東日本も大きくビジネスが伸びる可能性があります。

今回は普段安定株としてしか見られないJR東日本株のポテンシャルについてまとめてみました。

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JR東日本の事業概要:圧倒的な集客力を持つ駅を持つ会社

JR東日本は、正式名称「東日本旅客鉄道株式会社」で東日本(関東、甲信越、東北)を事業エリアとしています。営業キロ数は7,457km、一日の利用者 約1,770万人、社員数54,880人の超巨大鉄道会社です。

営業キロ数の比較では旧国鉄の本州三社で比べても以下のように

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圧倒的な営業キロ数の鉄道網を運用している会社です。

広大な鉄道網とともに、JR東日本は一日の利用者数が膨大な駅を多く持っていることも特徴です。会社や学校に行ったりするときにJR使っていれば必ず駅は通ります。膨大な人数の人が行き来する駅を持っているということは、集客が圧倒的にし易いということなので鉄道以外の事業に非常に有効ですよね。黙っていてもそこに人は通るわけですから。

JR東日本の「各駅の乗車人数」によると以下のグラフになります。比較のためにJR西日本の主要駅である大阪と京都のデータも入れました。

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(JR西日本のデータは「なんでもランキング」より)

2017年のデータですが一番乗車人数の多い新宿はJR東日本だけで78万人近くの利用者があります。

北千住がJR東日本のランキングの10位に登場しています。北千住なんて関東以外の人には名前も知らないと思いますが、そんな関東民以外には聞いたこともないだろう駅であっても乗車人数でいうとあの国際観光都市京都をはるかに超えてます。

なお、渋谷と品川についてはそれぞれ東急電鉄グループとJR東日本が大規模な再開発を行っていますので、今後この乗車人数ランキングも影響を受けると思います。

JR東日本の営業状況と今後の展開:運輸事業以外で成長する

JR東日本の事業別売上構成:運輸中心だが、運輸事業以外でも9,000憶円規模

2019年3月通期決算予想からJR東日本の売上構成比を表にしてみると以下の円グラフのようになります。

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運輸事業が過半ではありますが、不動産・ホテル事業、流通・サービス事業もそれなりの割合です。JR東日本は売り上げ規模が2兆9000憶円の会社ですから、流通・サービス事業 5,210億円、不動産・ホテル事業 3,520憶円とかなりの大きな規模になっています。

営業利益率も計算してみたのですが、不動産・ホテル事業の営業利益率が23%と非常に高いのがいいですね。その他事業はSuica、ITがメインですがこれも営業利益率26%と高収益です。

2019年3月期
通期予想
営業収益
(億円)
営業利益
(億円)
営業利益率(%)
運輸 20,320 3,380 17%
流通・サービス 5,210 400 8%
不動産・ホテル 3,520 820 23%
その他 890 230 26%

JR東日本の今後のビジネス展開:運輸事業以外の売上をを5年で2,330憶円増やす

JR東日本は現在「変革2017年」という10ヶ年計画を遂行中で、中間地点の2022年に向けて以下の数字目標を掲げています。

  • 流通・サービス事業の売上高:2019年度 3,520憶円→4400憶円(880憶円増)
  • 不動産・ホテル事業の売上高:2019年度 5,210憶円→6,600憶円(1,390憶円増
  • その他(メインはIT・Suica)事業:2019年度 890億円→950億円(60憶円増)

目標を掲げています。その間運輸事業は20,320憶円から21,000憶円へと横ばいの見込みです。

要はJR東日本の今後のビジネス展開は、非鉄道事業を大きく伸ばす計画ということです。鉄道事業はバリアフリーや安全面での投資はもちろん継続しますが、事業成長への投資というよりは駅の利便性や安全性への投資です。

JR東日本の非鉄道事業の重点項目:Suica+品川再開発

決算説明資料から読み解くと、今後の非鉄道事業の重点項目は

  • Suicaの利用拡大、JRE Point経済圏の拡大
  • 品川開発、渋谷駅街区開発、横浜駅西口ビル開発

です。

JRE Pointについては最近JREカードの発行を開始し、会員獲得に向けて大きなプロモーションをしていますね。電車のディスプレイ広告でもプロモーションを毎日見ます。

支払い手段としてのSuicaはクレジットカードやQRバーコード支払いと競合しますが、JR東日本を使う以上はSuicaはほぼ必ず保有するものなので、クレジットカードなど競合があってもSuicaで支払う層がいなくなることはありません。

Suica/Viewカード/JRE Point自体のビジネス規模は大きくありませんが、Suica/Viewカード/JRE Pointを起点としてエキナカやLumineの流通ビジネスを拡大させることができるため重点項目の一つになっています。

そして、JR東日本が売り上げ増の観点で一番重点を置いているのが不動産・ホテル事業です。この目玉が品川周辺の再開発で、JR東日本は2018年9月25日に「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について」という資料を公開し計画を紹介しています。

第I期としては、

  • 1街区:住宅とインターナショナルスクール
  • 2街区:文化創造施設
  • 3街区:オフィス、商業、生活支援施設
  • 4街区:北棟、南棟の日本のビルを建て、北棟はオフィス、ビジネス支援施設、南棟がホテル、オフィス、カンファレンス施設

と5棟のビルを建てる計画です(4街区が北南の2棟)。品川周辺の開発計画もありますが、JR東日本がまず注力するのはこの部分です。

最近品川新駅の名称を発表して話題にもなりましたが、リニアの駅もできることですし話題性があることは間違いないです。ただ、品川がオフィス街という印象が強いだけに、人々が品川を素通りしてしまう可能性もあるのかなという気もしています。

品川って、関東民からするとオフィス街のみでそれ以外のイメージがあまりないんですよね。新宿、池袋、渋谷等はオフィスもありますが大規模な商業施設もあり、仕事帰りや休日にも行くところです。品川に休日に行くかというと特に用事が思い浮かびません。

逆に言うと、現時点で品川が新宿、池袋、渋谷のような大規模商業施設が立ち並ぶような街ではないだけに、大きな開発の余地もあるとも言えるでしょう。JR東日本の品川再開発が成功すれば、品川への人の流入も増え、開発を主導するJRは不動産、ホテル、流通、Suicaビジネスなど非運輸事業以外全ての事業成長で利益を得ることができるでしょう。

今回の再開発地域だけでなく、品川駅周辺を全体的にどういう方向で再開発し、品川という街全体として盛り上げ街のブランド価値を高めていけるか、今回の都市計画からはそのビジョンがよく見えないのが不安材料です。

まとめ:JR東日本株は運輸事業以外、特に品川再開発の成否により上昇ポテンシャルがあるが不安要素もあり

JR東日本のビジネスプランでは運輸事業は売上が落ちないものの劇的な成長は見込んでいませんが、運輸事業から生み出される莫大なキャッシュフローを非鉄道事業(流通・サービス、不動産・ホテル、IT・Suica)に投入し事業成長を成し遂げよう、という計画です。

その中でも目玉は品川再開発ですが、成功のカギは駅やエキナカだけではなく魅力的な街を作り出せるかどうかです。その点東急電鉄グループの渋谷再開発は、既に渋谷の街としてのブランドがあるので比較的成功しやすいと思います。

東急電鉄、阪急等は街づくりの面で豊富な経験がありますが、JR東日本に単なる駅の開発だけでなく品川を取り巻く「街」の開発までできるのかどうか、ここがポイントになってくるのではないでしょうか。

リニア新駅が今後できてくるなど品川は話題性もありポテンシャルもある場所で、品川再開発が成功すればJR東日本の事業も一層成長していくでしょう。今後の再開発動向を注視しながら、JR東日本株への投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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