投資をするときに個別株を使うのか、あるいはETFを使うのが良いか、悩みませんか?
個別株を買ってテンバガーを引けば大儲けはできるのですが、ピンポイントでテンバガーを引くなんてこともできません。
キャピタルゲインを狙うためどんどん保有銘柄が増えていった結果、結局ETFで指数に投資したのとパフォーマンスは変わらなくなった、なんて状態に陥っている投資家も多いと思います。
私も気になる個別株を買い続けていった結果、銘柄数が増えすぎて管理がしにくくなっています。

個別株、ETFはそれぞれ良さがあり、投資テーマに応じて使い分けるべきだというのが私の考えです。
今回は個別株ではなくETFを使うべきなのかどんなテーマなのかについての私の考えを紹介します。
個別株とETFで悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。
- 対象:個別株 vs ETFどちらを使うかで悩んでいる投資家
- 得られること:ETFを使うべき投資テーマがわかります
目次
個別株とETFそれぞれのメリット・デメリット
まずは、個別株とETF投資のそれぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。
個別株投資のメリット・デメリット
個別株投資のメリットは、次の3つです。
- 銘柄選定で良い銘柄を当てたときには爆発的な利益が出る
- 信託報酬等管理手数料が取られないので運用コストが安い
- 銘柄選定に成功すれば、株価指数のパフォーマンスを上回ることができる
逆にデメリットは4つあります。
- 銘柄選定に失敗した場合大損し、最悪保有銘柄が倒産したら資産価値がゼロになる
- 銘柄研究に膨大な時間が掛かるし、企業の事業内容をきちんと理解しないといけない。
- インドなど個人投資家には個別株でアクセスするのが非常に難しい市場もある
- 個別株投資で分散投資を心がけていくと銘柄数がどんどん増えてしまい、管理がしきれなくなる可能性もある
ETF投資のメリット・デメリット
ETF投資のメリットとしては以下の6つが挙げられます。
- 大きなテーマや市場さえ選定してしまえば、個別銘柄の選定をする必要がない(ファンドマネージャーが選んでくれる)
- 自分が十分に専門知識がない市場にも投資できる
- 個別株でアクセスするのが難しい市場にも比較的自由に投資できる
- (基本的には)投資先の指数を下回るパフォーマンスにはならないので、投資で大失敗することが少ない
- ETFの指数を構成する銘柄が少し倒産しても、資産には大きなダメージは避けられる。
- 一つのETFで多くの銘柄に分散投資できるので、保有銘柄数を少なくできる
ETFのデメリットは次の5つです。
- ETFの運用コスト(信託報酬)がかかる
- 良くも悪くも運用パフォーマンスは指数どおりであり、指数を上回るパフォーマンスをあげることはできない
- バブル崩壊後の日本株のように指数のパフォーマンスが悪いと、絶望的な投資パフォーマンスになってしまう可能性もある。
ETFを選ぶべき投資テーマ
個別株を選ぶべきテーマ・ETFを選ぶべきテーマ
個別株とETF投資のそれぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、個別株ではなくETFで投資したほうが良いテーマが何かを考えてみましょう。
私の考えでは個別株を選ぶべきテーマは以下です。
- 物理的に個人が容易に投資可能な市場である
- 投資対象についての知見があり、事業内容が理解できる
- 分散投資しても、10銘柄程度でそのテーマについて十分に網羅した投資ができる
- 投資先企業の収益が安定している、ないしいきなり収益が劇的に変動するリスクが少ない
個人投資家でも容易に投資できる市場で、投資先企業の経営リスクが少なく、自分が知見を持っている領域で、限定された銘柄数で投資できるのであれば、個別株で投資したほうが良いでしょう。
逆に言うと、以下のテーマはETFで投資したほうが良いと思います。
- 投資テーマとしては可能性はわかるが、個別企業の銘柄を研究するには難しすぎるテーマ
- リスクを分散しようとすると、銘柄数が膨れ上がってしまうテーマ
- 投資先企業の業績が大きく変動するテーマ
- 個人で投資しづらい市場
ETFで投資したほうが良いテーマ
私が研究している限りでは、5G、ブロックチェーン、HRテックは個別銘柄で投資していいかなと思います。
対象銘柄が限定されていますし、相対的に事業に大きなリスクがあるわけではないためです。
一方、サイバーセキュリティとバイオテクノロジーはETFのほうが良いかなと思っています。
サイバーセキュリティへの投資
最近のサイバーセキュリティ銘柄はソフトウェアのサブスクリプションビジネスが多いです。
このため売上は安定しているのですが、膨大な数の銘柄を保有しないと十分なカバレッジができないように感じます。
10銘柄程度に絞ってしまうと網羅性にかけるように思えます。
例えば、サイバーセキュリティ銘柄をざっと挙げただけでも
- Fortinet
- Palo Alto Networks
- Zscalar
- CyberArk Software
- Proofpoint
- FireEye
- トレンドマイクロ
- Rapid7
- Carbon Black
- Mimecast
- A10 Networks
等銘柄数が増えてしまいます。
また、サイバーセキュリティは私のようなユーザーが直接使うわけではないので、なかなか事業内容が想像しにくいですよね。
私もサイバーセキュリティの専門家ではないので、上述の銘柄だとトレンドマイクロくらいしか事業内容はわかりません。
CyberArk Softwareは保有していて儲かっていますが、私がCyberArk Softwareの事業内容をきちんと理解できるかというとわかっていませんからね。
サイバーセキュリティは技術的に理解が難しいことと、投資するには銘柄数が膨れ上がってしまうので、サイバーセキュリティへの投資に本気で取り組むのであればETFが良いと思います。
バイオテクノロジーへの投資
もう一つETFで投資したほうが良いと思うのはバイオテクノロジーです。
バイオテクノロジーは、
- 新薬の開発の成否により経営状態が激変する
- 事業内容が専門的すぎて素人で理解するのは不可能
- 昔のGilead Sciencesのように良い銘柄を引けばリターンは大きいが、事業内容が専門的すぎて理解できない以上銘柄選定がきちんとできない
- 新薬開発のリスクを分散して投資しようと思えば銘柄数が増えてしまう
という理由によりETFでの投資のほうが良いと思います。
バイオテクノロジー株に個別で投資しようとすると
- Incyte
- Biomarin Pharmaceuticals
- Seattle Genetics
- Ionis Pharmaceuticals
- Alnylam Pharmaceuticals
- Jazz Pharmaceuticals
- Nektar Therapeutics
- Alkermes
とかに個別投資していくことになります。
この場合、銘柄研究をすることになりますが、Jazz Pharmaceuticalsの新薬候補JZP-258がidiopathic hypersomniaのPhase 3 Clinical Trialでpositiveだったとかいうニュースを見ても、私にはさっぱり事業の評価ができません。
また、新薬開発に失敗すると一夜にして株価半分になったりする世界なので、よっぽど銘柄選定に自信があるか、失ってもいいくらいの資金でない限り銘柄選定に成功するのは難しですね。
個別の企業についてはわかりませんが、全体的な方向性としてバイオテクノロジーには未来がありそうな気がするのであれば、ETFで網羅的に投資したほうが良いと思います。
まとめ
本記事では個別株ではなくETFで投資したほうがよいテーマについてその理由と具体例を紹介しました。
私は基本的に個別株で大きなキャピタルゲインを狙いたい気持ちがありますが、投資テーマによってはETFのほうが有効な投資手段の場合もあると感じます。
メインの資産でテーマ投信・ETFに投資するのではなく、サブのキャピタルゲインを狙う投資として個別株あるいは個別株で狙うのが難しいサイバーセキュリティやバイオテクノロジーはテーマETFで攻めるようなポートフォリオの構成はいかがでしょうか。
個別株、ETFともにメリット・デメリットはありますので、うまく使い分けてあなたの資産形成の効率を最大化していきましょう。