みなさん老後の資金計画はどうやっていますか?
まだ私は退職金を受け取るまでには年数はあるのですが、中年に差し掛かっていて老後というのも現実的な話になっており、退職金を受け取ったら私ならどう運用するかな?について考えてみました。
株式運用を20年間やってきて、海外含めた様々な金融機関を使ってきた経験も踏まえて私のおすすめ退職金運用方法を紹介します。
この記事はもうそろそろ退職金を受け取るけど運用方法で悩んでいる人向けです。
最初のチェックポイントは低コストかどうか
えっ?安定性じゃないの?と思われるかもしれません。
最初に見るポイントは低コストで長期運用ができるかです。良い金融商品というのは消費者のためになる商品であって、金融機関にとって良い金融商品ではないことはみなさん合意できるでしょう。我々が選ぶべきは退職金運用のために退職者に売り込んでいる金融機関にとって都合の悪い金融商品です。売っても儲からない商品、が我々にとっては良いのです。
低コストかつ長期運用に向く商品は証券会社や銀行にとって儲からないのですから、消費者にとっては良いのです。
また、とかく一般消費者は銀行や証券会社のカモにされがちです。専門家である銀行や証券会社のお勧めする商品なんだからいいのだろうと誤解して投資してしまいがちです。
ここで低コストを最重視してまず商品を選んでみてください。銀行や証券会社が対面ですすめてくる商品は殆ど投資対象から外れると思います。
例を挙げてみてみましょう。
三菱UFJ信託銀行では「ご退職者特別プラン」としてUFJランドラップをすすめています。MUFJファンドラップの費用をみると、
- 3000万円以下の部分について、残高手数料(年率)1.134%+投資顧問料率(年率)0.378%がかかります。
- 1000万円をMUFJファンドラップで運用すると、年間の費用は151,200円、実行報酬料率(年率)は1.512%となります。
と説明されています。
低コストを最初の選択基準にすることでこのような極めてコストの高い運用商品を機械的に排除できます。
低コスト運用商品の具体例
じゃあ、低コストの運用商品って何でしょうか?
円建ての投信でしたら、私がつみたてNISAでもおすすめしている楽天バンガードの
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(運用報酬 年0.2296%(税込)程度)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(運用報酬 年0.1696%(税込)程度)
はどちらも低コストで運用できます。
ネット証券での売買ができる方であれば、
楽天証券で
- VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(経費率 0.10%)
- VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(経費率 0.04%)
を買うのもいいです。楽天証券では一回当たりの米国株売買の手数料条件がUSD 20ですから2200円くらいのコストしかかかりません。
100%海外投資するのは不安だ、もっと安定したものがいいという方は資産三分法で株、不動産、債券をそれぞれ均等に持つ形にすればさらにリスクを抑えた運用もできます。
この時に使う不動産、債券向けの商品としては
- 不動産 (NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信 配当利回り3.36%
- 債券 上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型 配当利回り3.11%
がおすすめです。両方とも日本で上場していますので普通の株と同様にネット証券で注文すれば売買できます。
退職金運用するのにおすすめ金融機関はネット証券
上記で紹介した銘柄を売買するのに”専門家”のアドバイスは要りません。
楽天・バンガード100%の割合で行くならそのまま買えばいいだけですし
財産三分法をつかって株、不動産、債券を三等分で運用するなら
- VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 34%
- 不動産 (NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信 33%
- 債券 上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型 33%
で買えばいいだけです。どちらにしても簡単なので専門家のアドバイスなんて必要ありませんよね?仮に何か質問があったとしてもネット証券のコールセンターに電話すれば親切に教えてくれますよ。上述の銘柄はすべて楽天証券、SBI証券、マネックス証券のどこでも買えますので低コストで売買できるネット証券で取引しましょう。
購入のタイミングとコツ:リスク回避のため時間分散させたほうが良い
退職金もらったからと言って全額をいきなり投資するのはやめたほうがいいです。投資のタイミングはいつがいいのか誰にもわからないので、退職金をもらったタイミングが投資にとって最良のタイミングかどうかは全く分からないためです。高値でつかんでしまうリスクもあります。
おすすめの購入方法は、
- 株、不動産、債券の割合を決める 。これはご自身の好みで構いませんが決めたらルール通りに運用できる割合にします。
- 退職金を3年かけて投資完了するプランとし、「退職金÷9」の金額を3か月ごとに一定金額で投資していく。毎月投資でもいいのですが売買手数料がかさむので3カ月に一回でいいと思います。これを機械的に継続し36ヵ月経ったところで退職金全額を投資完了する。これでタイミングをかなり広範囲に分散させ高値掴みするリスクを軽減できます。
まとめ
退職金という大金を受け取るタイミングを狙って銀行、証券会社が売り込みに来ることでしょう。ほとんどのそういった売込みは無視して結構です。
ネット証券を使い低コストな運用商品で安定運用するのがおすすめです。
まとめると、退職金を安定運用するために考えるべきことは
- 運用コストが低い商品を選ぶ
- 売買手数料が安いネット証券で買う
これによって手数料目的で銀行・証券会社が売り込んでくる投資商品を回避できます。
運用商品もご自身で選ぶのが一番ですが、
- 楽天バンガードの低コスト株式投信
- バンガードの低コストインデックスファンド
- JリートETF
- 低コストの債券ETF
がおすすめですので、選択肢の中から資産規模が多く低コストなものを選んで組み合わせることをお勧めします。投資のタイミングとしては一度に全部投資してしまわず、投資のタイミングをずらし時間分散することをお忘れなく。
退職金をきちんと運用して、悠々自適な老後を計画してみませんか。