あなたがインドに投資するとしたらどうしますか?
米中の影に隠れていますが、世界第二位の人口大国であるインドへの投資が注目を浴びています。
もともと大きな経済成長のポテンシャルはありつつも、中国の影に隠れていました。
ただ、ついに台湾系のFoxconnなどの大手EMSも工場を立ち上げるなど、製造拠点としてのインドにも今後大注目です。
そんなインドですが、規制の関係で外国人が直接個別株を買うことはできません。
インドの国内証券口座を外国人が解説することもできません。
では、どうやってインドに投資したらいいのでしょうか?
私はリーマン・ショック時にインド株で大儲けして今の資産の基盤を築いたので、インドには大きな思い入れがあります。
どんどん日本の投資家がインドに投資して金持ちになってほしいと思っています。
そこで、今回は日本在住の個人投資家がインドに投資する方法について紹介します。
目次
米国ETFでインドに投資する
まず、紹介したいのが米国ETFを使う方法です。
米国には、iShares MSCI India Index ETF(INDIA)というETFが上場されています。
これは米ドル建てのETFでブラックロックが運用しています。
管理費用は0.69%と安く、時価総額がUSD 5Bと巨大なので、インドETFの中ではこれが最も安定感がある銘柄になるでしょう。
米国ETFのため分配金については米国側の源泉徴収と日本の所得税の二重課税になってしまうのが問題ですが、分配金利回りが1%と微々たるものですし、最悪外国税額控除で取り戻せるのであまり気にする必要はありません。
主な組入銘柄は、
- Reliance Industries
- Housing Development Finance Corp
- Infosys
- Tata Consultancy Service
- Axis Bank
- Hindustan Uniliver
- ITC
- ICIC Bank
- といったところです。
ただ、問題はINDIAは日本のネット証券で取扱がないってことですね。
日本の大手ネット証券で米国株を買えるなら、iShares MSCI India Index ETFがファーストチョイスです。
WisdomTree India Earnings Fund (EPI)
INDIAがファーストチョイスではありつつも、日本の大手ネット証券でインドに投資するなら
WisdomTree India Earnings Fund
が現実的な選択肢です。
管理費用は年0.84%と高く、時価総額もUSD 1.3BとINDIA程は大きくはありません。
主な構成銘柄は、INDIAとほぼ同じですが、上位にONGCやIndian Oilのような資源系の会社が多少入っているのが若干の違いです。
パフォーマンス上は大差はないはずです。
INDIAがインドの大企業、中小企業の広く投資するものであったのに対し、インドの大企業に特化したETFもあります。
iShares India 50 ETFです。
名前の通り、インドの50の大企業に投資するETFです。
保有銘柄は
- Reliance Industries
- HDFC Bank
- Housing Development Finance Corporation
- Infosys
- Tata Consultancy
等です。
銘柄はINDIAに似通ってますね。
経費率が0.94%とかなり高いので、iShares MSCI India Index ETFのほうがいいかもしれません。
シンガポールビジネストラストでインドに投資する
シンガポールにはビジネストラストという商品が上場されています。
これはリートに類似したもので、ビジネスから生まれる収益をファンド化したものです。
インドに特化したビジネストラストであるAscendas India Trustも上場されています。
Ascendas India Trustはインドの工場団地やオフィスビルに投資しています。
時価総額はSGD 1.5B(日本円で1,200億円)と小さくはありません、
また、配当利回りも7.786%というなかなかの配当利回りです。
インドに投資しつつも高配当を得られるという面白い商品です。
私も5-6年投資していて、継続的に配当金を受け取りつつ値上がり益も享受しており、二重に美味しい状態です。
個人的な意見では、時価総額が小さいインドETFを買うくらいならAscendas India Trustに投資しておいたほうがよっぽど安定的に儲かると思います。
ETFに投資している時点で大きなキャピタルゲインは狙っていないわけですから、ビジネストラストに投資するのでも同様ではないでしょうか。
アメリカADRでインドに投資する
ただ、もちろんAscendas India Trustでは大きなキャピタルゲインは狙えません。
インドの経済成長とともに、大きくキャピタルゲインを狙いたい場合はアメリカADRに投資するのが最も効率的です。
個別株投資ですので相応のリスクはありますが、私はリーマンショックのときにこれで大儲けしました。
だいたいどこのネット証券でも取り扱っているのは、
- HDFC Bank
- Infosys
- Dr. Reddy's
- Tata Motors
- Wipro
- WNS
です。
インドADRは銘柄数が少ないので、銘柄選択もしやすいと思います。
やはり難点は銘柄数が限定されているのと、大手財閥系の企業でヌケモレが多くあることです。
米国ADRだけではインドに投資するための十分なポートフォリオが組めないと思いますので、私であればETFと米国ADRの組み合わせでインド投資ポートフォリオを組みますね。
日本ETFでインドに投資する
日本上場のETFでインドに投資する方法もあります。
野村アセットマネジメント投信のNEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678)を使います。
運用対象指数はNifty 50 indexです。
Nifty 50 indexの対象銘柄はNIFTY Next 50 Indexを参照ください。
懸念は、
- 信託報酬が年0.95%と高コストなこと
- 運用資産が54億円と規模が小さいこと
の2つです。
ただ、日本で日本円でインドの代表的な株式指数に投資しようとしたら、野村のNifty 50連動型上場投信(1678)はほぼ唯一と言っていい選択肢になります。
まとめ
今回は大きな経済成長が期待できるインドに投資するための方法を紹介しました。
日本在住の投資家にとっては
- 米国ETF:WisdomTree India Earnings Fund
- シンガポールビジネストラスト:Ascendas India Trust
- 米国ADR
- 日本ETF:NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678)
の4つの選択肢があります。
私自身はAscendas India Trustを保有しており、今後WisdomTree India Earnings Fundか米国ADR数株への投資を検討しているところです。
中国の政治経済が揺らいでいる中で、あなた自身のポートフォリオを守るための方法として、中国の動向にあまり影響されない大国インドへの投資は一つの大きな選択肢です。
新興国の中ではインドは安定して高成長を続けている国ですので、ポートフォリオの一部に加えることでポートフォリオのパフォーマンス向上も期待できると思います。
中国の政治経済が揺らいでいる今こそ、インドへの投資をしてみましょう。