日本を含めたアジアの中で時価総額が最大のホテルリートは何だと思いますか?
ホテルリートは利回りが高く魅力的ですが、投資先として考える場合時価総額も考慮に入れたほうが良いです。
一般的にリートは時価総額が大きいほど規模が大きく運営が安定する傾向にあります。
リスクの高い投資をするならなおさら、時価総額は気にしたほうが良いのです。
今回は日本を含めたアジアの上場ホテルリートの時価総額ランキングを紹介します。
- 対象:アジアの上場ホテルリートへの投資を考えている人
- 得られること:各リートの時価総額の比較できます。投資判断の一助になれば幸いです。
目次
ホテルリートとは?
ホテルリートとは、その名の通りホテル特化型のリートです。
ここでいうホテルは長期滞在者用のサービスアパートメントも含みます。
オフィスリートなどと同様にお金を集め、不動産に投資し、賃料収入をもとに出資者に分配金を払います。
特徴は賃料収入が完全に固定ではなく、ホテルの営業状況によって変動するということです。
つまり、ホテルの運営がうまくいって収益が上がると、賃料収入も増えます。
これにより、リートの安定性とホテル事業のダイナミズムの両方を味わえるのがホテルリートの醍醐味です。
ホテル事業がうまく行っていない時は賃料が下がってしまいますが、固定賃料の部分もあるのでホテル事業に投資するよりはリスクが抑えられています。
アジアのホテルリートの概要
アジアのホテルリートの数
アジアのホテルリートは基本的にはシンガポール、日本、香港に上場しています。
合計11銘柄あり、
- シンガポール:5銘柄
- 日本:4銘柄
- 香港2銘柄
です。
これはホテル特化リートの数です。
アジアのホテルリートの多くはシンガポールに上場しているので、ホテルリートに投資したいのであればシンガポールリートに投資できる体制を作っておくと良いと思います。
シンガポールホテルリートと日本・香港ホテルリートの違い
シンガポールホテルリートは一部を除いて基本的にはシンガポール以外の国のホテルにも投資しています。
一方、日本のホテルリートは日本のみに投資、香港リートはRegal Reitが香港のみ、New Centru Reitが中国のみ、と基本的に単独の国のホテルを投資対象にしています。
海外物件を入れているかどうかがシンガポールホテルリートと日本・香港ホテルリートの大きな違いですね。
シンガポールは国際都市で人の往来がとても多いとはいえ人口が570万人と小さいので、シンガポールだけに特化したリートはあまりなく、基本的に最初からグローバルなリートを作る傾向にあり、ホテルリートもその例外ではありません。
シンガポールのホテルリートの中には日本のホテルに投資しているものもあるので、意外に身近にシンガポールリートはあるものですよ。
例えば、以下はシンガポールのホテルリートが所有している日本のホテルの一例です。
- Citadines Central Shinjuku Tokyo
- Citadines Karasuma-Gojo Kyoto
- Hotel MyStays Asakusabashi
- Hotel MyStays Kamata
- Hotel Sunroute Ariake
- Hotel Sunroute Osaka Namba
- ANA Crowne Plaza Kobe
ホテルリートとホテル株の違い
ホテルに投資する方法は
- ホテルリートに投資する
- ホテル株に投資する
の二つがあります。
ホテル株でいうと、私もマンダリンオリエンタルに投資しています。
違いは単純で株価が変動するかどうかと利回りです。
ホテル株は業績によって株価が大きく上がったり下がったりします。
一方配当利回りは低いです。
例えば、シンガポール上場のマンダリンオリエンタル、香港上場のシャングリラホテルの配当利回りは2%以下です。
業績が上がれば株価は上がってキャピタルゲインを得られます。
ホテルリートは現時点では分配金利回りで少なくとも4%は超えています。
ただ、多少変動はあるものの収入は大きく変動しないので、株価も比較的安定しています。
このためホテルリートで大きなキャピタルゲインを望むのは難しいと思います。
キャピタルゲイン狙いならホテル株、分配金狙いならホテルリートという切り分けとなります。
アジア・ホテルリート・時価総額ランキング
では、日本を含むアジアのホテルリートを横断的に比較してみましょう。
時価総額のランキングは以下のようになります。
銘柄 | 時価総額 (百万円) | 配当利回り |
---|---|---|
Ascott Residence Trust | 222400 | 8.0% |
ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 170239 | 9.7% |
CDL Hospitality Trust | 94400 | 4.7% |
星野リゾート・リート投資法人 | 90852 | 4.4% |
Far East Hospitality Trust | 76720 | 6.5% |
Frasers Hospitality Trust | 66080 | 5.5% |
Regal Reit | 51100 | 11.1% |
森トラスト・ホテルリート投資法人 | 43300 | 4.0% |
New Centry Reit | 14840 | 6.6% |
いちごホテルリート投資法人 | 14253 | 3.4% |
アジアのホテルリートで一番時価総額が大きいのは、シンガポールのAscott です。
次にジャパン・ホテル・リート, CDL、星野リゾートと続きます。
昔はジャパン・ホテル・リートの時価総額が圧倒的に大きかったのですが、コロナでインバウンド客が来なくなり大暴落してランクを落としました。
一方、Ascott ReitはAscendas Hospitality Trustと合併した効果でそれなりの時価総額を維持しています。
まとめ
日本を含むアジアのホテルリートについて日本、香港、シンガポール上場の銘柄を比較し、時価総額ランキングを作ってみました。
ホテルリートは比較的配当利回りが高いものが多いです。
コロナ禍の中でリスクは大きいですが、運が良ければ高い利回りとリバウンドによるキャピタルゲインを得られる可能性があるので魅力的ですよ。
あなたもぜひアジアホテルリートへの投資を検討してみてください。