投資テーマとして5Gが激アツですね。
5G関連に投資する投資信託、ETFで共通項として採用されている銘柄として以下の5銘柄を紹介しました。
- Skyworks Solutions
- Analog Devices
- Xilinx
- Keysight Technologies
- Cisco Systems
本記事ではこの5G関連本命銘柄の業績をみて、投資していいものなのかどうかを検討します。
- 対象:5Gへの投資に本気の投資家が対象です。
- 得られること:5G関連の本命銘柄への投資についての判断材料が得られます。
目次
Skyworks SolutionsはiPhoneの5G対応で恩恵を受ける
Skyworks Solutionsは米国のアナログ半導体メーカーです。
若干古いですが2017年のデータで売上高ベースで世界第三位の会社です。
アナログ半導体売上高の世界ランキングは以下の通り
- テキサス・インスツルメンツ
- アナログ・デバイセズ
- スカイワークス・ソリューションズ
(参照:「2017年のアナログ半導体企業ランキング - 上位10社でシェア6割」マイナビニュース)
なお、アナログ・デバイセズも5G関連の本命銘柄の本命銘柄なので、5Gを語る上ではアナログ半導体は欠かせないといえます。
Skyworksの最新の業績発表をまとめると以下の通り、直近では減収減益です。
これはAppleのiPhoneの生産縮小の影響です。
Skyworks のAnnual Report 2017によると、顧客の上位3社は
- Foxconn 39%
- Samsung Electronics 12%
- Huawei 10%
です(参照:Skyworks Solutions 2017 Annual Report and 2018 Proxy Statement)。
FoxconnというのはApple製品を作っているEMSですから、Skyworksの最大顧客がApple、かつ売上の50%以上をスマートフォンに依存している事業構造であるのがわかります。
Skyworks が2019年1月9日にガイダンスを下げたときの発表から引用すると
First fiscal quarter results were impacted by unit weakness across our largest smartphone customers
とSkyworksの最大のスマートフォン顧客(つまり、Apple)の動向により影響を受けたことが語られています。
Appleも同時時期にiPhoneの売上が予想を下回ると発表しています。
iPhone
Lower than anticipated iPhone revenue, primarily in Greater China, accounts for all of our revenue shortfall to our guidance and for much more than our entire year-over-year revenue decline.
Appleのこの発表が2019年1月2日で、Skyworksの発表が2019年1月9日で日程的にも同時期ですので、Skyworksの減収要因はAppleのiPhone向けの販売落ち込みといっていいでしょう。
この発表を受けて2019年1月にはSkyworksの株価は急落しましたが、いまは回復基調です。
Skyworksのスマートフォン一台あたりの売上は、無線技術が高度化するごとにどんどんあがっていっています。
Skyworksの2018年11月のCorporate Overviewの12ページによると、スマートフォン一台あたりの売上は
- 4G:18ドル
- 5G:25ドル
と5Gで売上が大幅にアップすることが見込まれます。
Appleのことですから、5G時代には革命的な製品・コンテンツ・ソフトウェアを出してくるでしょうから、Skyworksの株価が落ちたときは積極的に買っていいのではないかと私は考えています。
Analog DevicesはIoTで恩恵を受ける
Analog Devicesも米国のアナログ半導体メーカーです。
規模的にはSkyworks Solutionsよりも大きい会社で、アナログ半導体の世界売上ランキング二位です。
Analog Devicesが2019年2月20日に発表した決算をまとめると以下のようになります。
Skyworks Solutions同様に減収ではありましたが、Appleの影響が比較的少ないので大きな売上減ではありませんでした。
Skyworksとの違いですが、以下のようにまとめられます。
- Skyworks:売上が上位三社に集中し(2017年度は上位3社で53%の売上)かつ特にAppleに集中している
- Analog Devicesは特定の顧客や業界に過度に売上が集中していない
SkyworksはApple iPhoneの売上が絶好調なら売上は絶好調に上がりますが、良くも悪くもApple次第です。
Analog DevicesもAppleが最大顧客ではありますが、その割合は2017年度で14%です。
(参考:Analog Devices Annual Report 2017)
Apple iPhoneの販売が落ち込んだとしても致命的な影響は受けないでしょう。
また、顧客の業界的にも産業用途のほうが通信より大きいので、スマホの販売動向にはそこまで左右はされません。
比重が多い業界で考えると
- Skyworks Solutions : 5G
- Analog Devices : IoT
となります。
Skyworks Solutionだけに投資しているとApple依存のリスクが有ることと、通信以外のIoTの市場成長を取り逃がす可能性があるので、Skyworks SolutionsとAnalog Deviceの両社に投資するのがいいと思います。
Xilinxは5Gの立ち上げで恩恵を受ける
XilinxはFPGAというロジック半導体のメーカーです。
専用のASICより柔軟にIC設計できるのがメリットとのことです。
Xilinxというと産業用途が多いのかなという印象を持っていたのですが、以下のように
- データセンター用途
- 通信用途
の比重が大きくなり、かつ売上高成長率の非常に高いです。
これは市場の注目を集めますね。
Xilinxについては以下の記事で5G関連の売上が急速に増えていることが説明されています。
Chipmaker Xilinx's 5G orders kick off race to cash in on new networks
簡単に記事の内容をまとめると以下です。
- 専用ICのほうが処理速度は早いのですが、設計に時間がかかる。
- その点Xilinxのロジック半導体を使えば設計期間を短縮できるので、5Gのような新規システムを立ち上げる際には非常に有用性が高い。
- 現在中国と韓国が世界最初の商用5Gサービスの立ち上げをやっていてXilinxのロジック半導体への需要が急増している。
- いずれ専用ASICメーカーとの強豪の晒されるが、そのときには米国など他の国での5G立ち上げが行われているので、そこでの売上が伸びる見込み
要は世界中で5Gが立ち上がってくるときに、Xilinxの通信部門の売上が急増する可能性があるということです。
私は人工知能のときのNvidiaに類する匂いを5GでのXilinxに感じます。
Keysight Technologiesは5Gの設備投資の恩恵を受ける
Keysight Technologiesという名前は聞いたことがなかったのですが、ぐぐってみると旧アジレント・テクノロジーの電子計測事業部門が独立したものでした。元HPで、そもそもヒューレット・パッカードが最初にやった事業がこの電子計測事業とのこと。
マネジメントチームのプレゼンテーションを見ていると、この会社は殆ど叩き上げのエンジニアバックグラウンドの人が経営している会社というのも面白いです。
コテコテの米国のメーカーですね。
Keysightが2019年2月21日に発表した2019年度Q1決算をまとめると以下のように順調時成長しています。
電子計測器は様々な業界で使われるものですが、売上を分野別に見てみましょう。
このように
通信向けが全体売上の61%を占めています。
売上伸び率で見ても通信向けがYoY 25%増と一番高い伸びを示していて、Keysightが5G設備投資の恩恵を受けているのがわかりますね。
通信以外の産業用の電子計測機器も展開していますので、5GだけでなくIoTの世界での計測需要でも大きく事業を成長させることができそうです。
Ciscoは総合ネットワーク機器メーカーとして5Gによる爆発的なデータ通信が商機になる
Cisco Systemsは世界最大級のネットワーク機器メーカーです。
5Gのようなインターネットの世界では世界最強の総合ネットワーク機器メーカーの一つです。
Ciscoの特徴として、ネットワーク機器、セキュリティ、アプリケーションを含めた統合的なソリューションを提供できることが挙げられます。
2019年2月13日発表の2019年第二四半期決算によると、売上は全体で前年比6%増と伸び率は若干低いのですが、セキュリティ、アプリケーションは二桁の伸びで、インフラ機器以外のビジネスが着実に成長エンジンとして育ってきていることがわかります。
主な収入源であるインフラ機器は半期の売上がUSD 15B近い非常に大きな規模のビジネスで、前年比8%を達成している自体驚異的です。
その他の半期売上はセキュリティがUSD 1.3B、アプリケションはUSD 2.9Bとシスコの中では小さいですが、他の専業メーカーと比較するとかなり大きな規模の売上です。
シスコへの投資を考える上で、これのインフラ機器以外のビジネスが二桁成長しているのは非常に心強いですね。
ちなみに、シスコをネットワーク機器メーカーと捉えると、アプリケーションの売上って何?と思われるかもしれません。
アプリケーションの売上というのは、WebEx(ビデオ会議システム)やAppDynamics(アプリケーションのパフォーマンス測定ソフト)のようなソフトの売上です(サブスクリプションでの売上含む)。
5Gによりネットワークを通るデータ容量が爆発的に増えると、キャリアも企業もネットワーク機器を更新する必要が出てきますので、シスコには大きな商機になるでしょう。
そして、ネットワークスピードが飛躍的に早くなることで、ビデオ会議などシスコのアプリケーションの用途も更に広がってきますし、超高速のネットワークとIoTに対応したネットワークセキュリティも必要になるので、シスコの商品ポートフォリオ全体にとって大きな商機です。
ネットワーク機器メーカーは数多上場していますが、5Gへの投資を考える上では世界最大のネットワーク機器メーカーであるシスコは外せません。
まとめ
5G関連の本命銘柄を深掘りしてみました。
Skyworks Solutions, Analog Devices, Xilinx, Keysight Technologies, Cisco Systemsともにさすがに投資の専門家が共通項として選ぶだけの会社だなと思います。
私は5Gを調べ始め、調べれば調べるほど非常に重要な投資テーマだと感じています。
今回個別銘柄を研究してその思いはますます強くなりました。
投資タイミングは選ぶ必要がありますし、銘柄もちゃんと選ぶ必要がありますが、5G関連銘柄に投資しないのは収益機会を大きく逃すと思います。
私は革命的な投資チャンスだと感じています。
あなたも5G関連銘柄に投資してみてはいかがでしょうか。
今回紹介した銘柄は全部マネックス証券で取扱があります。
米国株取扱銘柄が豊富なので5G関連銘柄の投資にはおすすめですよ。